こんにちは、モーガンです。Follow @tsukubanosorani
いざ、不動産投資を始めようとした時に、具体的に何から始めれば良いかわからない人も多いのではないでしょうか。
私は最初の一棟を購入するまで試行錯誤の連続でした。かなり非効率でしたし、物件を紹介してくれた不動産業者さんにも迷惑もかけてしまったように思います。自分のやり方で失敗しないかどうかとても不安だったのを覚えています。
その後、不動産会社さんや金融機関さんの良い担当者の方と巡り会えたことと、もともとサラリーマンの業務でもやっていた数値化が功を奏し、購入したいずれの物件もハワイに別荘が所有できる程のキャッシュフローや売買益を生み出してくれました。
一番重要なことをは失敗しないで投資用不動産を購入することですね。今回の記事では試行錯誤の末、体系化した「失敗しないプロセス」をご紹介したいと思います。どのように投資用不動産を買ったらいいかわからない!という方が一人でも減れば嬉しいです。
大まかな流れは以下の通りです。
- 基礎知識の取得
- 不動産投資方針の決定と金融機関の開拓
- 物件情報検索・入手
- 資産性、収益性の評価
- 現地調査
- 融資打診
- 買付提示
- 売買契約・手付金支払い
- 融資申請・承認
- 決済・登記・引渡し
この10ステップを確実にこなしていけば、失敗の確率を最小限に抑えることができます。一つ一つご説明しますね。
もし、あなたが年収1500万円以上の会社経営者、医師、会社員であれば、節税効果の高い物件を取得することで、家賃収入や売却益の他に、税金の還付を受けることができます。
その物件取得のプロセスはこれからご説明する10ステップとは少々異なります。もし節税も視野に入れる方は、以下の記事を参考にしてくださいね。
コンテンツ
①基礎知識の習得
不動産投資といっても色々な手法があります。私は中古鉄筋コンクリート(RC)造マンションと中古木造アパートを取得してハワイにコンドミニアムを所有するまでになりましたが、それが唯一の方法ではありません(個人的にはオススメだと思っていますが)。
中古ではなく、新築に特化したり、戸建や区分マンションを購入される方もいます(個人的はススメませんが)。
投資手法は人それぞれです。どれくらいリターンを得たいかと言う目標とその人の属性(年収や金融資産)によって最適と考えるものが変わるとも言えます。
まずは基礎知識を習得して、自分には何が最適なのかを導く土台を作りましょう。
不動産投資定番の本を読む
私は若い人であれば、賃料収入が多く取れることが重要になってくると思うので、中古木造アパートがリスクも低く、リターンが最大化しやすいと思ってオススメします。
それを自分の中で腹落ちさせるためにも定番の本を最低5冊は読んでいただきたいと思います。
https://aloha-lanai.com/book-recomendation/
メンターを見つける
また、このタイミングで不動産投資のメンターを見つけることができれば成功に近ずくと思います。すでに不動産投資で自分が目標とするリターンを達成している人を探しましょう。聞いて回ると案外身近にいるものです。
ただし、知人が不動産会社に勤めているからと言ってその人をメンターにする場合は気をつけましょう。
不動産の「買い方」は知っていても不動産投資での「勝ち方」を知らない人が多くいます。悪気なく勤めている会社の得意パターンを押し付けられてしまうことがありますので注意が必要です。
②不動産投資方針の決定と金融機関の開拓
一定の基礎知識を得ることができたら、投資の方針を大まかに決めましょう。以下のような方針を作ることで、物件情報の検索ができるようになります。
- 目標:3年で手取り年間250万円を達成する
- 方針:物件総額5000万円分を2−3棟に分けて購入する
- 自己資金:極力融資を利用し、自己資金は取っておく
- 物件価格:1000〜2000万円
- 表面利回り:16.7%以上
- 建物構造:木造アパート(耐用年数超過もOK)
- 金融機関:地元の信用組合
- 借入利率:2.1-2.5%(※)
- 借入年数:15-20年(※)
- 投資対象地域:信用組合の支店がある県内主要都市(※)
この方針を作るには、自分だけではできません。融資してくれる金融機関に電話をして融資条件(※)を聴き出す必要があります。逆算してその他の方針を固めていきます。買えないと意味がないので、何を買うかは融資ありき、金融機関の出す条件ありきで決めていくのが不動産投資の特徴です。
若い方ですと現金で買うわけにはいかないと思いますので、融資を利用することになります。地域振興や小さい企業(個人)の創業支援を理念に掲げる日本政策金融公庫か地元の信用組合、信用金庫を利用することになるでしょう。
そうするとある程度、その金融機関の融資条件から方針が逆算されて決まっていくことになります。具体的には下の記事にまとめました。
③物件情報検索・入手
不動産投資の方針に沿った物件がないかインターネットで検索をします。近しい物件があったら、問い合わせフォームから、「物件概要書」と「レントロール」を入手します。
有名な物件情報ポータルサイトは楽街、健美家、不動産投資連合体などがあります。また大手不動産会社のホームページも一見の価値があります。東急リバブル、ノムコムなどです。
ただ、これらのサイトはプロも見ていて地域によってはスピード勝負の争奪戦になっていることがあります。アットホームやHome’sの不動産投資サイトの方が穴場かもしれません。
資料請求している中で、その不動産会社さんとお話しして、自分の不動産投資の方針を話しておきましょう。物件が出た際に紹介してくれるようになりますよ。
④資産性、収益性の評価
入手した情報を元に積算法と収益性シミュレーションと言う二通りの方法で物件を金額に換算して評価します。
ここで著しく評価の低い物件を購入したり、自分の方針で決めた収入が得られない収益性の低い物件を購入してしまうことが無いように物件評価を行います。
積算法での資産性評価
積算法では物件の値段を土地と建物に分けて算定し、売値との差がどれくらいあるかという資産性の評価ができます。
土地は広さと路線価を掛け合わせることで算出し、建物は再調達価格(再度新築した時の価格)を建物の広さと掛け合わせて算出します。金融機関はこの積算法で算出された評価額に一定の掛け目をかけて融資する金額の根拠の一つとして利用しています。
投資家としてその土地値は賃貸アパートを取り壊して更地として住宅メーカに売るという一番出口戦略として最低シナリオの金額がわかります。
融資金額がどれくらい伸びるか、また、売値との差を把握して、不測の事態が起きた時に最大損をするのはいくらか目安になります。
収益シミュレーションによる収益性評価
事前に取り寄せた物件概要書・レントロールから、税引後キャッシュフローや売却時の最終損益を計算します。初期投資額と見合ったものになっているかを試算することが最大の目的です。目標は税引前のキャッシュフローで立てましたが、ここから税引後、つまり最終的な手残りをきちんと計算しておくことで、「こんななはずじゃなかった・・・」という失敗を回避することができます。
何よりも大事なのは、詳細検討に入っていく価値がある物件かどうかを見極めることです。
この後は現地調査、詳細見積もり、融資打診といった人を巻き込んだプロセスに入ります。自分もそうですが、相手にも手間を取らせることになるので、ここで「この物件を追いかけるんだ!」という腹落ち感は大事になります。
実際の計算の仕方やエクセルのツールについては以下の記事を読んでくださいね。ここで作成した収益シミュレーションこそがそのまま事業計画書として使えますので、必ず作れるようになりましょう。
⑤現地調査
ここまでの机上調査で資産性、収益性について良い評価が出たものについては、紹介元(売買仲介)の不動産会社さんに物件の現地調査を依頼します。実物を確認し、机上で想定していたことが正しかったかを確認するためです。
また、レントロールにある想定賃料が借り手が見つからないほど相場よりも高いと取り返しがつかない失敗になるので、別途、複数の仲介店舗(できれば、売買仲介と関係がないところ)に賃料ヒアリングに行くのは必須です。
物件の現地調査
物件の現地に売買仲介会社さんと調査に行きます。主な調査内容は、修繕の必要性と入居者属性の確認です。
修繕の必要性を見極め、修繕が必要と判断された場合はその費用を抑えましょう。必要な修繕費用は、できるなら金融機関から融資を受けて、なるべく現金での支出は抑えたいところです。
修繕費用は借入金額を収益性評価に上乗せして、それでもなお、物件を購入する価値があるか見極めます。
また、入居者の属性も確認しておきましょう。長期滞納者やクレーマーがいるのであれば管理を請け負ってもらう不動産会社と追い出しを含めて事前に検討しましょう。
一番厄介なのは暴力団関係者が住んでいる場合です。その場合は物件購入を見送りましょう。
仲介店舗に賃料ヒアリング
中古物件の賃料は緩やかに下落するものです。賃料を引き上げるのは相当難しい行為です。よって、購入の際に賃料を高く見積もって買ってしまうと取り返すのは至難の技になります。
そこで物件周辺の仲介店舗の賃貸仲介担当(普段賃貸のお部屋案内をしている方々)に、ヒアリングに別途出向きましょう。
購入予定の物件の構造、間取り、平米数などを伝え、できればライバル物件の賃料を見せてもらいます。そして満室にするための条件を聞き出してください。
賃料が当初の想定とずれていれば、収益性評価を変更して、再度購入の価値があるかを見極めます。
賃貸仲介の方にとっては、あまり得にはならない時間となります。平身低頭で臨むことはもちろん、事前にヒアリング事項をまとめておき、かつ、お客様が来店されている時など忙しい時は避けましょう。特に2−3月の繁忙期や土日祝日は稼ぎ時なので、配慮が必要です。
⑥融資打診
このタイミングで金融機関にアポをとり、一度融資の相談をしておくといいでしょう。融資が思う条件で出るかどうか、細部をヒアリングすることになります。
ここで役に立つのが④の資産性、収益性評価の結果です。これを必ず持参するようにして、想定している融資条件で大丈夫か裏を取っておきます。
物件概要書やレントロールなどの物件資料、3期分の確定申告書など金融機関から指定されたものは必ず持参するようにします。また別途経歴書を用意し、その土地で賃貸経営するのに向いているかアピールする材料を用意しておくと信頼度が増すことがあります。
ここで想定していた条件で融資が出そうということであれば、いよいよ購入に向けた手続きに入っていくことになります。
⑦買付提示
売買仲介の不動産会社さんに売値の値引き余地などを模索しておいた上で、購入金額を最終確定します。その金額を買付として書面にて売買仲介の不動産会社さんを通し、売主と交渉してもらいます。
融資を利用することを想定している場合は、手付にローン特約条項を売買契約につけることを条件にする旨を忘れずに明記しましょう。ローン特約条項とは、もし融資が金融機関に否決されてしまった場合に売買契約を白紙に戻せるというものです。
そもそも買付は法的な根拠がないため、買付を撤回しても罰せられることはありません。しかし、不動産業界の商習慣を理解していない人、信用の置けない人というレッテルは貼られることになり、その売主や売主、買主、双方の不動産会社さんと取引ができなくなる可能性があるので注意が必要です。
⑧売買契約・手付金支払い
売主から買付に書いた金額で承諾を得られたら、いよいよ売買契約です。この時点では、融資が通るか確証がないため、ローン特約条項をつけて売買契約をします。
ローン特約条項とは融資が金融機関より否決された場合は、無条件で契約を白紙に戻せるというものです。
このタイミングで手付金を支払います。一般的に売買金額の5−20%となることが多いようです。もし売主が破産していたりする場合は、持ち逃げされてしまうケースも考えられるので、売買仲介の不動産会社さんと決済するまで保全する手段を検討します。
⑨融資申請・承認
売買契約締結後、速やかに金融機関に正式に融資を申請します。結んだ売買契約書や必要書類を提出し、金融機関内の稟議、承認を待ちます。3−4週間程度かかることが一般的かと思います。
⑩決済・登記・引き渡し
晴れて融資が承認されたら、いよいよ決済です。決済日までに以下の準備を進めましょう。
- 火災保険、地震保険、施設賠償保険への加入
火災、地震のリスクから身を守るため、必ず保険に入りましょう。また、建物・設備に起因する事故の損害に備え、施設賠償保険への加入も必須で入るようにします。これらは損害保険の代理店に申し込み、決済日当日から保険が付保されるようにしないといけません。
- 管理会社との契約
空室の入居者募集業務をはじめとして、建物管理、入居者対応業務を管理会社に依頼しましょう。詳しくは下の記事に書きましたので参考にしてください。
- 司法書士の先生の手配
決済当日、売買代金の支払い後に土地建物の所有権移転や抵当権設定をするために、司法書士の先生を手配します。売買仲介の会社さんが紹介してくれることが多いです。
決済日を売主と調整したら、金融機関の会議室で残金を決済します。
同じタイミングでここまで頑張ってくれた売買仲介の不動産会社さんに仲介手数料や司法書士の先生への報酬を支払います。
司法書士の先生は当日立ち会っていますから、そのまま法務局に所有権の移転登記に行ってもらいます。
また、物件の管理を任せる不動産管理会社さんに立ち会ってもらいます。売主より引き継いだ鍵や賃貸借契約書を渡して管理をスタートしてもらい、オーナー人生のスタートです!
大事な心構え
この流れを読んで気が付いた方も多いかと思いますが、たくさんの人を巻き込まないと投資用不動産は買えません。売買仲介、賃貸仲介、金融機関と多くの方に支援されながら買うことになります。ここで大事なのは、平身低頭の姿勢です。
残念なことに自分は客だ!という態度を取ってしまう人が少なからずいます。こういう人は、売買仲介の不動産会社さんからは良い物件の紹介は受けれませんし、金融機関さんからも相手にされないでしょう。
自分が応援してもらえて初めて不動産投資ができることを忘れないようにすることがとても大事です。
数値化して不安を乗り越える
何棟も購入した経験がある私でも、漠然とした不安に襲われることがあります。この物件を買って想定外のことが起きて失敗するんじゃないかということです。
その時に私は漠然とした不安を数値で捉えると言うことをします。そうするとと乗り越えられますよ。
漠然とした不安でその場から動けなくなる人という人がいます。その気持ちもわかりますが、数値化すると不安が解消されますよ。
大失敗をしたとしても「土地の値段が●千万円だから、最大の損は▲百万円だな」と数値で考えられるようになると怖く無くなります。
漠然とした不安の正体は、本業を頑張れば取り返せる金額だったりします。(だからと言って油断してもいいわけではないですが)
不動産投資の世界に10年身を置いてみて思うのは、平身低頭の姿勢と数値化が良い投資用不動産を「購入できる人」と「できない人」の境目であるということです。
ぜひ記憶に留めて置いてくださいね。