こんにちは、現役の専業不動産投資家のモーガンです!Follow @tsukubanosorani
茨城県を中心に関東で11棟67室の賃貸アパート、マンションを経営しています。
今回は入居者募集に使う募集図面(マイソク)についての解説記事です。
長く賃貸経営をしていると、多くの空室を抱えてしまう時があります。
入居者さんの退去が偶然重なることもあれば、空室だらけの物件を購入することもあります。
そんな時に不動産管理会社さんに入居者募集を丸投げしていても、一気に埋まることは期待できません。
管理会社さんの店舗に1日に来店する人は限られているからです。
閑散期だったりすると、満室になるまで半年以上経過してしまうことも。
私は経営方針に厳格なのか、せっかちなだけなのか知りませんが、満室になるのに待てても3ヶ月。
期待できないとわかっているなら、自ら動くしかありません。
町中にある賃貸仲介店舗全てを周って、入居者募集のお願いに行くことにしています。
そうです。
このやり方で私は入居率を97%以上に保っているんです(エッヘン)。
入居率97%を維持する方法を解説した記事はこちら↓
その時に持参するのが募集条件のかいた募集図面(マイソク)です。
これです↓
(今回作成したテンプレートのスクショです。こちらのダウンロード画面は後述します。)
これを賃貸仲介店舗に配って、部屋を探しに来店した入居者に手渡してもらうようにお願いするわけです。
賃貸仲介さんが思わず、入居者さんに紹介したくなるような魅力的な募集図面を作りたいと思いませんか?
そのためには、必ず書くべき情報やお作法があるのですが、不動産投資の初心者の人はわからないことも多いのではと思います。
ちょっと前のことです。
自分で良いものを作成しようと、叩き台になるテンプレートがないかネットを検索したことがありました。
そんなに難しいものではないとはいえ、一から作るのは面倒じゃないですか。
ただ、衝撃の事実。
どんなに探してもないんです。
有料のものならありましたが、不動産管理ソフトを導入しなければならない上に高額…。
空室3つ、4つを埋めるだけなのに、手間も費用も見合いません。
そこでパワーポイントとエクセルで簡単に加工できる募集図面(マイソク)のテンプレートを自分で作りました。
そして、この記事から皆さんに無料でダウロードして貰えるようにもしました!
(褒めてくださいw)
自分の物件データを記入して印刷すれば、誰にでも魅力的な募集図面を作れます!
そのテンプレートに書き込むべき情報や注意点について解説を書いたので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
コンテンツ
募集図面(マイソク)の無料テンプレート・ダウンロード
早速ですが、私が作成した募集図面(マイソク)のテンプレートをこちらからダウンロードしてください。
【無料】募集図面(マイソク) テンプレートのダウンロード – zipファイル –
zipファイルを解凍すると以下の二つのファイルが展開されます。
- Template.pptx(5ページ)
- Maisoku_Parts.xlsx(3シート:「物件仕様」、「初期費用」、「設備」)
Maisoku_Parts.xlsxの各シートにご自身の物件情報を記入したら、
- 編集メニューから「コピー」
- Template.pptxの所定の位置に「形式を選択してペースト」
- 「図(PNG」」を選択して貼り付け
をしてください。
それではテンプレートを用いながら募集図面(マイソク)の書き方について解説していきたいと思います。
募集図面(マイソク)とは?
募集図面は入居者さんに物件所在地、間取り、付帯設備などの建物仕様や家賃を知ってもらうためのチラシです。
業界用語で「マイソク」ともいいますが、このチラシを配布する仕組みを最初に考えた会社名に由来していると言われています。
チラシというと軽く聞こえるかも知れませんが、法的効力を持つ販促資料なので、正確性を求められます。
事実とは違う広告(誇大広告を含む)は景品法のもとに損害賠償や処罰の対象になります。
昔、家電量販店が誤って、新製品の価格を一桁安くチラシで配布してしまい、実際にその誤った金額で売らざるを得なくなった事件がありました。
空室の募集図面(マイソク)も同じことになりかねません。
十分注意しましょうね。
通常は管理委託している不動産管理会社さんがあなたの募集条件を自社システムに入力し、来店した入居者さんにいつでも印刷できるようになっています。
入居者さんは手渡されたものの中からより自分の条件に合うものを2つから3つピックアップして、内見に向かうわけですね。
つまり、大家としては賃貸仲介店舗で入居者さんに手渡してもらえるかが勝負!
あなたが委託する不動産管理会社の店舗でしたら、何の問題もないのですが、他社の店舗は別です。
何もしないと、あなたの物件の情報はありません。
そして、多く抱える自社管理の空室を差し置いて、わざわざあなたの管理会社から取り寄せ、募集図面を手渡す可能性は非常に低いです。
そこでこの記事にあるテンプレートを持ち込み、入居者さんに提案して貰えるにお願いしましょう。
あなたの募集図面(マイソク)をシステムないし管理ファイルに入れて、保管してもらえれば目的は達成です。
条件にあった入居者さんが来店された際には、システムや管理ファイルを検索して、提案してもらう確率が上がりますよ。
募集図面(マイソク)の見方、書き方
それではテンプレートのパワーポイントに沿って募集図面の見方や書き方について解説しますね。
実は募集図面(マイソク)に決まったフォーマットがありません。
しかし、業界慣習に沿って、情報が一定の位置に配置がされた図面の方が、入居者さん、賃貸仲介さんなど見る側に使いやすいです。
テンプレートは全6ページになっています。
まずは一番重要な1ページ目を見てみましょう。
物件の仕様、間取り図、家賃、報酬(1ページ目)
1ページ目がいわゆる募集図面(マイソク)というものです(残りの5ページは補足資料の扱いです)。
こちらには
- 物件の写真、間取り、住所、設備など物件仕様
- 入居に必要な初期費用や家賃
- 客付仲介へ支払われる仲介手数料の負担割合や広告料報酬額
が①から③のエリアに分けて記載されています。
①のエリアは物件の外観・内装写真、間取り、地図が書かれています。
なるべく広角で明るい写真を使うと入居者さんは賃貸仲介さんにウケがよくなりますね。
間取り図はちょっと工夫が必要です。
全部屋書くことはもちろんですが、必ず
- 各部屋の広さ(帖もしくは㎡)
- 水回り設備の位置(キッチン、和or洋式トイレ便器、バスタブ、洗面台、洗濯パン)
- ベランダ、窓の位置、ドアの開く方向
明示しましょう。
特に水回り設備の位置は、入居者さんが注意深く確認するポイントです(和式便器か洋式便器か、洗濯機が中置きか外置きか、3点ユニットか風呂トイレ別か)。
不明瞭だったり、書いてないと内見に行って貰えないかも知れませんので必ず書くようにしましょうね。
間取り図を作成するにあたって、私はパワーポイントの描画機能を使ったり、管理会社さんに作成してもらったりしています。
ご自身でカッコよく作りたいという場合は、アプリやクラウド・ツールが便利です。
地図は何からのランドマーク(駅、学校、病院、商業施設など)から物件のだいたいの位置が特定できるものであればOKです。
仲介さんは慣れているので住所を見れば大体わかります。
②のエリアでは物件の住所、アクセス、学校やコンビニからの距離や所要時間などが書かれています。
所要時間は80メートルを1分換算して記述すると決まっています。
Google Mapなどで距離を測った上で記入してください。
体感やご自身の実測書いてしまわないように注意してくださいね。
一番重要なのはなんといっても家賃や駐車場の料金です。
これを書き間違えると大変なので確認してください。
駐車場など消費税がかかるものは、税込み、税抜き表記をして消費税の取り扱いを明示することも忘れずに!
お金絡みで重要になってくるのが、入居退去時に必須で加入が必要なものの費用明示です。
- 家賃保証会社とその加入料
- 火災保険
- 退去時のクリーニング費用負担
- 24時間サポートなどその他管理会社の提供するサービスなど
これらは全てあなたが管理委託契約を結んでいる不動産管理会社経由で提供する商品、サービスになります。
事前にどんなものをいくらで提供しているか確認しておいてください。
特に家賃保証会社は日本セーフティ、日本賃貸保証(JID)、あんしん保証、カーサなど会社名で書いておくことをオススメします。
賃貸仲介さんがどんな入居者さんなら審査に通るか、保証会社ごとのクセを把握しているので、役に立つ情報になります。
一番重要な報酬体系の書き表し方
そして、③のエリアが一番重要です。
帯状のこのエリアが、賃貸仲介さんとの通信欄の役目を果たし、賃貸仲介さんの取り分、つまり報酬(売上)を明示する役割があるからです。
その中でもここです↓
この記述が無かったり、曖昧だったりすると、ほぼ確実に紹介してもらえません。
このテンプレートでは可能な限り、ここを目立たせています。
ADとは広告料のことです。
広告宣伝費の扱いで、賃貸借契約が成立した場合に支払います。
この例では家賃の2ヶ月分を賃貸仲介さんにお支払いしますよ、と書かれていることになります。
手数料とは仲介手数料のことです。
貸主(あなた)と借主(入居者)さんのどちらがどれくらい負担するかを表します。
上記の例だと100%借主(入居者さん)が支払うという意味ですね。
あなたがキャンペーンとして負担してあげることもできます。
その場合は
だったり、
などと負担割合に応じて表記します。
また、その仲介手数料を誰が報酬として受け取るかを、その下段にある「元付(あなたの不動産管理会社)と客付(入居者さんを見つけた賃貸仲介会社)」で表しています。
私の地域では上記の例の通り、客付会社が100%受け取る場合が多いです。
この場合、賃貸借契約書や重要事項説明書の作成を代行した元付(不動産管理会社)の取り分が無くなってしまいます。
それではあんまりなので、不動産管理会社さんには別途、契約事務手数料を支払うことにしています。
古い習慣が残る一部の不動産管理会社では、契約事務手数料を受け取らないかわりに、仲介手数料を折半する場合もあります。
つまり、
という表記になるということですね。
この場合は客付側の賃貸仲介さんが面白くないので、広告料を少し増やして、トータルで賃貸仲介さんの報酬相場に見合うように工夫をしています。
この③のエリアは、あなたと賃貸仲介さんの通信欄というのは上述した通りです。
入居者さんには、賃貸仲介さんの社名、連絡先が書かれている帯を被せられた上で手渡させるので、見られることはありません。
そこで賃貸仲介さんにアピールしたい、もしくは、伝えておきたいことがあれば、遠慮なく書いておきましょう。
- 空室かどうか毎週確認する相手になる不動産管理会社の連絡先情報
- 鍵が現地に設置されていて、内見に手間がかからないこと
- 電気がついて夜間でも内見ができること
- 賃貸仲介さん独自でSuumo(スーモ)やHome’s(ホームズ)などのポータルサイトに募集広告しても良いこと
- 短期入居者、ルームシェアなど入居できない人の条件
を明示しておくと良いと思います。
駐車場と共用設備(2ページ目)
2ページ目は駐車場と共用設備について書いておきます。
車社会の地方だと、駐車場は単身世帯だと1台、ファミリー世帯だと2台が必要になることが多いです。
必要な台数が確保できるかは賃貸仲介さんの関心事項になります。
また空き区画の位置を気にされる入居者さんもいらっしゃいます。
運転に自信がないため、駐車しやすい区画か確認したいという理由が多いです。
よって、区画とその金額を図示してあげるとわざわざ内見先から問い合わせする必要がなく、親切ですね。
駐輪場やゴミ捨て場の有無も生活の利便性に関わるので、分かりやすく図示しておくと、好感度が上がります。
付帯設備(3ページ目)
部屋の設備が充実しているようでしたら、それを3枚目でアピールできるようにしています。
残念ながら世の中には、不潔感のある部屋や設備をそのまま貸し出しているために空室が続いている部屋があります。
そう言った部屋と差別化できるように写真を掲載しておくと良いと思います。
特に初対面の賃貸仲介さんには、あなたの真摯に取り組む姿勢が伝わり、信頼関係に繋がっていくと思いますよ。
設備一覧(4ページ目)
付帯設備を一覧にしておくと、Suumo(スーモ)やHome’s(ホームズ)などの賃貸ポータルサイトに募集掲載してくれる確率が上がります。
賃貸仲介さんはコンプライアンスの観点から、いくら現地に存在しているのが明らかでも、募集図面(マイソク)に記載がない設備はSuumo(スーモ)やHome’s(ホームズ)などの募集媒体に掲載できないところが多いです。
こんなトラブルがあるからです。
しっかり文字情報として一覧で書き出しておくと、そのまま募集媒体に掲載してくれることがあるので良いです。
設備の名称はSuumo(スーモ)やHome’s(ホームズ)などの賃貸ポータルにあるものと同じ言葉を使いましょう。
賃貸仲介の事務の方が賃貸ポータルにシステム入力する際に、設備の入力漏れが減ります。
Suumo(スーモ)の賃貸物件検索画面
そうすると確実に検索でヒットするようになり、入居者さんからの反響が増えますよ。
テンプレートのマイソクパーツエクセルでは、設備名称をSuumo(スーモ)の検索画面に合わせてあります。
もし追加する場合は、Suumo(スーモ)を見ながら追加してみてくださいね。
初期費用と更新費用(5ページ目)
最後に入居者さんに請求する費用(=初期費用)と更新時にかかる費用を明示しておくのも、賃貸仲介さんへの安心感につながるので良いです。
特に初期費用は、商流に関わる様々な会社の請求合計金額になります。
- 家賃(あなたが請求する)
- 家賃保証、火災保険料(保証会社、保険会社が請求する)
- 仲介手数料(賃貸仲介会社が請求する)
- 24時間駆付けサービス、消毒、鍵交換など(管理会社が請求する)
万が一、抜け漏れていたからと言って、後から請求するのはトラブルの元です。
後出しジャンケンのようなことをすると賃貸仲介さんは入居者さんから信頼を失い、決まりかけていた契約もパァになってしまうからです。
それでもこういったトラブルは賃貸仲介の現場でしばしば起きてしまっています。
事前に管理会社と打ち合わせを行い、この5ページ目に抜け漏れがないことを確認した上で、賃貸仲介さんに予め書面で渡しておけば安心して取引できる相手として認識される思いますよ。
この一覧と費用の合計を作っておくと、もう一つ良いことがあります。
それは、合計金額が入居者さんが支払える相場から逸脱していないかを募集前にチェックできるところです。
入居者のターゲット層(学生、フリーター、会社員など)ごとに初期費用として支払える相場というものがあります。
初期費用や相場って何?という方はこちらの記事を読んでみてくださいね。
あまりにも逸脱していると賃貸仲介さんから紹介してもらえる機会が減ってしまいます。
逆に相場より安めに設定してあれば、アピールポイントにもなり、賃貸仲介さんが積極的になることも。
更新料も同じことが言えるので、管理会社さんと打ち合わせして決めてみてくださいね。
味方を増やして早期満室へ
ただでさえ、地方においては人口が減少しています。
一人でも多く、内見に来てもらうことが賃貸経営の成否を握っていると言っても過言ではありません。
しっかりと作られた募集図面(マイソク)を持って、賃貸仲介さんに営業に回れば、紹介機会も増えて空室が短期化することは私の経験上、間違いないと思います。
これを繰り返しているうちに、馴染みの賃貸仲介さんもできるでしょう。
そうすると募集図面(マイソク)を渡すまでもなく、電話一本で内見が入ることも増えてきますよ。
そうなるととても楽になります。
最初は面倒でも、ぜひテンプレートを活用して、効果的な入居者募集をしてみてくださいね!
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