実は先日11年越しの夢が叶って、ベトナムに行ってきました!
もちろん、ただの観光じゃありませんよ。
今まで11年半にわたってベトナムの女の子(Aちゃん)とその子の住む地域に寄付をしていたんです。NPO法人のワールドビジョンという団体を通して、妻と二人で毎月4500円を寄付し続けていたのと、Aちゃんと年に数回の文通をしていたんです。
ワールドビジョンは、貧しい農村地域や恵まれない子供と家庭に衛生指導や学校教育、産業育成をする非営利団体です。
私たち夫婦が支援している地域のプロジェクトはこの9月を持って、15年を迎えて完了することになりました。これを機にそのAちゃんに会いに行ってきました!
プロジェクトが終わったら会うことはもちろん、連絡を取ることもできないルールになっています(チャイルド保護のため)。最後のチャンスだったんです。
支援地域は整備の行き届かない貧しい地域で、日本から10時間近くかかるということもあって最初ためらいもあったのですが、意を決して行ってきました。
そしてAちゃんや地域が見事に豊かになっているのを目の当たりにしてきましたよ。ワールドビジョンの現地担当者さん達の活躍のおかげが大きいですが、我々も支援した甲斐があります!
現地で私たちの支援を感謝してくれる子供達に歓迎されて私の人生もとても豊かになった気分です。
今回は訪問の様子をレポートしたいと思います!
チャイルドスポンサーになるきっかけと11年半の支援活動
当時、31−2才だった夫婦は3才の長女が生まれていましたが、働き盛りということもあり、共働きで馬車馬のように働いていました。ともに大きな会社組織で会社員生活を送っていたのですが、何かが人生に欠けていたように感じていました。
当時、通勤の電車の中で、いくつかの支援団体のポスターが目に飛び込んできましたが、「組織的にしっかりしていて有効な支援をしてそう」、「支援相手と交流が持てて支援している実感が持てそう」、という理由でワールドビジョンさんを選びました。
そしてインターネットで早速申し込みをして毎月4,500円の寄付と年に数回の文通を始めたのが11年前の2007年2月のことでした。
文通を通してAちゃんがスクスクと成長していたり、支援地域が豊かになっていくことを知ると我々夫婦も満たされた思いになり、一生懸命働く意義をますます感じるようになりました!
このような素敵な経験をさせてくれたワールドビジョンにとても感謝しています。
ベトナム訪問の様子と感想
チャイルド訪問は原則2ヶ月前に申し込みをしないと行けません。ベトナムの場合はその期限が3ヶ月前に設定されていました。ちょうど5月から独立起業したため、自分で時間がコントロール出来るようになったのを期に、期限ギリギリで8月訪問の申し込みをしました。
その後、ワールドビジョン・ジャパンのご担当者の方と詳細な日程調整と計画を立てていただき、不明点をクリアしながら当日を迎えます。
私の仕事の関係で長期間いることはできなかったため、なるべく最短の4日間の旅程にしました。
準備段階で一番気にかけていたのは、現地でスマホのビデオ通話が繋がるかということです。ベトナムに同行出来ない妻をなんとかAちゃんと会話させてあげたかったのです。
ベトナムのハノイから5時間以上車で走った山奥にあるため、難しいかと思ったのですが、なんとか現地に4Gの電波が飛んでいるということを確認頂いたので、現地でも通話できるSIMフリーの携帯を準備したりしました。
初日(日本→ハノイ空港→経由地)
初日はほとんど移動です。成田空港から朝8時発のベトナム航空(凄く快適!)でハノイ空港へ5-6時間のフライトです。
そして、空港でワールドビジョンさんに手配してもらったドライバーの方にピックアップしてもらい、経由地に向かいました。
ドライバーの方は英語が通じず焦りました、、、汗。しかし、ハノイ空港で購入した現地SIMカードを使って、ワールドビジョン・ベトナムの方と携帯電話を介することで、意思疎通が出来ました。
お互い直接通じた言葉は「トイレ(大丈夫?)」だけでした。笑。
2.5時間ほど高速を走らせ夕方に経由地のホテルに到着です。
ここで英語が出来るワールドビジョン・ベトナムのマネージャさんが出迎えてくださり、長距離移動を労ってくださいました。
また、とても親切なことに、ご家庭にご招待いただいてご家族と夕食をいただきました。
マネージャさんは、ハノイの大学を出た才女、旦那様はお医者様、お子さんはベトナムの数学コンテストで何度も入賞している天才、、、写真掲載は控えますが、素晴らしいご家庭でした。
優秀な方で、しかも人を支援する心の持ち主です。世の中には完璧な人っているんですね。。。
ドライバーさんもそうですが、基本的にみなさん、とても親切ですし、気を使ってくださるので、恐縮しつつも不安は吹っ飛びました!
2日目(経由地→支援地の学校→チャイルドと初対面)
いよいよチャイルドと11年越しに初対面する日です。朝7時にドライバーさんとワールドビジョン・ベトナムのマネージャさんが迎えに来てくれて、経由地から支援地域まで2時間弱の道のりです。
そしていよいよランチです!
ご飯を食べながらじっくりAちゃんと話をします。と言っても、ベトナム語と日本語では会話できないため、ワールドビジョン・ベトナムのマネージャさんが英語で通訳しながらの会話になりました。
将来にツーリストになりたいという夢が聞けたり、音楽を聞くのが趣味だということを教えてもらったりと楽しい時間でした。
この機を逃さんとばかりに、日本から妻と娘で選んだバッグを持参し、プレゼントしました。決して高いものではないのですが、「こんな綺麗なバッグ見たことがない!」と喜んで貰いました。
時間はあっという間に過ぎてしまいます。遂にお別れの時間が来てしまいました。
チャイルド保護のため、これからは原則交流を持つことはできません。固く握手をしてから手を振って見送って貰いました。
その後、支援地域のワールドビジョンのオフィスに戻り、マネージャさんからプロジェクトの成果について説明を受け、経由地のホテルに戻りました。
その説明では目覚ましい成果を聞くことができたので、次の章に記します。
3日目(経由地→ハノイ観光、宿泊)
せっかくベトナムに来たので、ハノイくらいは観光しようと午後いっぱい時間をとりました。ハノイのカオスな街並みや熱気は日本にない光景で、何時間散策しても飽きることはありませんでした。
4日目(ハノイ空港→日本帰国)
朝8時の便でハノイ空港を発ちました。日本へのお土産は空港でパパッと買い、夕方には自宅につくことができました。
15年に及ぶ支援プロジェクトが地域にもたらしたもの
2日目の午後、チャイルドと別れた後、ワールドビジョンの現地オフィスでプロジェクトの成果について説明を受けました。
私は少し心配している点がありました。
訪問した家庭は藁葺き屋根と土間という決して衛生的な環境ではなかったので、プロジェクトがどこまで成果をあげたのかわからなくなっている部分があったのです。
家庭訪問先の奥さんから水を出されましたが、その水は土のついたバケツから注がれたものでした。ベトナム政府が上下水道を整備仕切れてないので仕方がないのでしょうが、私は失礼にならない様に、コップに口を着けて飲むフリをするしかできませんでした。。。
そういう苦い経験もしたので、なおさら詳しくプロジェクトの成果を聞きたかったのです。
失礼にも素直にその話をマネージャさんにぶつけると、率直に答えを返してくれました。
プロジェクトが発足してから15年経過した今では感じられない部分もありますが、発足当初はもっと酷い状況だったということです。
「今でこそ、ある程度舗装された道と吊り橋があるけど、当時の道路は全てでこぼこ道。川は橋がなかったので渡し船で渡ったのよ」とマネージャさんは教えてくれました。
特に大きな成果として上がっているのは児童の就学率です。
当初は5割にも満たなかった就学率が98%に向上しました。
これは児童に給食を支給することと愛に溢れた授業を展開したおかげで、親が安心して学校に送り出すようになったということでした。
私を出迎えてくれた児童の顔が愛に満ち、安心した顔立ちだったのも頷けます。
また、子供が日中、在宅しなくなったので、親が畑に出て目を離している時の小さな子供の事故が無くなったと言います。素晴らしい成果ですね。
農業でも成果を出しています。
鶏や牛を飼うノウハウも定着し、その糞でオーガニック栽培ができるようになりました。
プロジェクト発足当初は1毛作しかできなかったのに対し、現在では3毛作できるようになりました。
出荷量が確保できるようになった今、次なる課題として2毛作に減らして品質を向上させることに取り組まなければならないと力強くマネージャさんは説明してくれました。
そして最後にスポンサーになってくれてありがとうと感謝されました。
「日本のスポンサーの方々は初期からプロジェクトを支援してくれたので、日本人は私の心の中に常にあります。」
とも言っていただきました。
私は心配した自分を恥じながらも、感謝される、必要とされる気持ちでとても誇らしい気持ちになったのは言うまでもありません。11年間支援していてよかった。
(余談ですが、、、多くの日本のスポンサーさんを差し置いて感謝される様な形になってしまって、どんな顔して日本に帰ろうと真剣に悩みました)
いつの間にか自分の人生が豊かになった件
ワールドビジョンを通しての11年間の支援は、私たち夫婦の誇りとなっていたように思います。
年に数回、チャイルドのAちゃんから写真や絵とともにメッセージが届き、それに手紙で応えているうちに、支援している実感が湧きました。
大きな会社組織で働いていると誰かの役に立っている実感というのは持ちにくいので、このやり取りが働くモチベーションにもなりましたし、自分の人生を豊かにしてくれました。
最近の言い方をするとQOL(Quality of Life)が上がったと思います。少なくても自分が死んだ時にAちゃんの支援を11年したという事実は残るので、それは生きた価値があるというものですよね!
私たち夫婦はこういった思いもあり、数年前からルワンダのチャイルドも支援するようになりましたし、ベトナムプロジェクトが終わっても、違うベトナムのチャイルドのスポンサーシップをしようと話しています。
もし、このブログ記事を読んでくださっている方で同じような思い、体験をしたいと思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひ下のリンクから申し込んで見てはいかがでしょうか。
きっと素晴らしい体験が待っていると思います。
謝辞
ワールドビジョン・ジャパンのご担当の方々にも、私が安全に渡航できる様に、ベトナム渡航前、渡航中に多大なサポートをいただきました。誠にありがとうございました。この素晴らしい体験ができる人が増える様にブログを書かせていただきました。