1億円の物件の3割なんて用意できません。ちょっと前だったら満額フルローンが出たヤツですよ。
だって、地銀から億越えで融資を受けたっていってたじゃないですか。バンバン受けてるのかと思っていました。
来年(2019年)は優良な物件が安く出てくると思うから、今年の夏から準備してるんだよ。
融資が思うように出ないっていう人に参考になるかもしれないので、その内容を紹介するね。
こんにちは、モーガンです!Follow @tsukubanosorani
地方銀行の雄と称されていたスルガ銀行の不正融資事件から半年が経過しました。組織ぐるみの不正が次々と明らかになり、金融庁の地方銀行への監視が日に日に強くなっていると色々なメディアが報じています。その影響は地方銀行のみならず、信用金庫、信用組合にも及んでいるようです。
不動産投資は、金融機関から融資を受けて行うことが多いため、金融庁の監視、つまり融資の抑制は由々しき事態です。
特に私のような投資手法の人に風当たりが強くなっています。
私の投資手法は築30年など年季が入った物件で、空室が多くなってしまったアパート、マンションを1棟一括で購入するというものです。管理のノウハウをフル活用して、空室を常時満室にし、長期保有する事で賃料収入を得たり、景気が良い時に高値で売却するという手法になります。
金融機関は年季が入った物件を好みません。予測できない修繕が発生したりするので、新築に比べると賃貸経営の難易度が高いと考えているからです。ましてや空室が多く、賃料収入が現況で入ってこない物件なんて融資したくないわけです。
金融庁から融資の監視など融資抑制圧力がかかった時に、この築年数が古いものから絞ることがあります。
以下の記事の「【2018年】私の8銀行への融資打診結果一覧」で書かせてもらいましたが、私が2018年の6−7月に銀行に融資を打診した結果は、その通りに厳しくなりました。
特に信用金庫Mは以前、築年数を無関係に融資していたにも関わらず、「スルガ銀行事件で方針転換した」とはっきり言われた上で断られました。かろうじて他の2行(地方銀行A、信用組合I)で俎上に載ったからよかったものの、厳しさを痛切に感じたのを覚えています。
先にも述べたとおり、状況は刻々と悪くなっています。情報誌では、2019年4月以降の融資情勢も悪化の一途を辿るという意見が散見され、まだ底が見えないというのが多数派です。
この状況では、色よい返事をしてくれた2行も、いつ方針転換するかわかりません。
私は来年の2019年、誰も買えない時、つまり不動産がバーゲンセールされている時こそ、たくさん買いたいと思っています。どんな投資でも逆張りが絶対有利だからです。
ここで融資元の銀行を開拓しない手はないのです。
この記事では、上記を見据え、2018年の夏から取り組んでいる信用組合Iとの継続的な取り組みについてご紹介したいと思います。
その取り組みとは、2019年の夏から秋にかけて耐用年数を超過した5000万円以上の物件でも15年以上、かつ、満額フルローンの融資を出してもらうための私の信用組合Iに対する営業活動になります。
私は不動産投資を初めて10年が経過しました。所有物件は8棟49室になるため、不動産をまだお持ちでない方には、そのまま模倣してできる営業手法ではないかもしれません。
ただ、その中でも本質的には参考になることがあると思って、記事を書いてみました。以下の内容が何らかの役に立てば嬉しいです。
私が銀行融資を開拓する際の基礎知識であったり、基本方針は多分に石渡浩さんの本に影響を受けています。
2012年のちょっと古い本ですが、融資の本質的なところは変わらないため、読んでいただけると銀行融資についての考え方がわかると思います。オススメです!
コンテンツ
地銀の融資枠が上限に!信用組合とも融資交渉を進めていて良かった?!
それは2018年11月、第7号物件の決済が完了した後の談話中のことです。何気なく次の物件の購入予定を話していると、銀行担当者から「次の融資は法人決算が終わってからでないと上司を説得できそうにない」と言われたのです。
それは、私にとって2019年6月まで融資が出ないことを意味します。
この地方銀行Aは、築年数が古いものでも法定耐用年数を問わず、15年以上の融資期間も可能です。属性や物件次第で物件購入代金の満額フルローンを金利1%代で出してくれる銀行です(注:法人で不動産投資の実績がある場合です。個人や会社員では流石にこの条件は出さないそうです)。
確かに今年、会社員を卒業した私にも関わらず、9月、11月と合計すると1.2億円になる融資金額を出してもらいました。ショックを受けること事態、このご時世では贅沢なのかも知れません。
しかし、これから2019年にかけてさらに物件の下落局面を迎えます。ここで買えないのはショックすぎます…。
こういう時は即座に次の行動です。地方銀行さんから打ち止めでも、他の金融機関から融資を受ければいいだけです。
地方銀行Aさんには、止むを得ず他の銀行とも取引を模索すると仁義を切った上で、以前から好感触だった信用組合Iの課長さんに相談に行きました。
この信用組合Iは第6号、第7号物件の融資相談をしていましたが、地方銀行Aに比べて好条件が出なかったため、これまで縁がありませんでした。
不動産融資が受けられる金融機関(=銀行)には大きく5種類あります。
都市銀行(通称メガバンク)・・・大都市に本店を起き、莫大な預金残高を抱える大手銀行のこと。東京三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行を指す。金利は0-1%代で全国に融資可能だが、審査が厳格。
地方銀行・・・地方に本店が所在し、一定の区域内で営業する金融機関。横浜銀行、千葉銀行、静岡銀行、スルガ銀行などが地方銀行の中では大手。不動産投資にも柔軟に融資していた実績がある。金利も0ー1%代と低く、スルガ銀行不正融資事件まで審査も柔軟だった。
信用金庫、信用組合・・・地域の人が会員・組合員となって互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした協同組織の金融機関。営利目的ではなく、地域発展を優先する。金利は2−3%と割高になるが、柔軟な融資をしてくれる。
ノンバンク・・・預金業務を行わず、融資業務専門の金融機関。金利は2%後半から5%と最も高いが、融資が出やすい。
信用組合の融資条件と特徴
信用組合Iの融資条件は以下の通りでした。首都圏にあるメガ信金・信組の一部を除けば、一般的な条件ではないかと思います。
金利 | 2−3%(1%代の地銀などと比べると高め) |
---|---|
融資金額 | 数千万円のフルローン可能(ただし、数百万円程度の少額から返済実績を積み重ねる必要あり) |
融資期間 | 15年以上可能(耐用年数にとらわれない) |
信用組合は事業基盤がメガバンク(都市銀行)や地銀に比べて小さいため、どうしても金利は高めになってしまいます。
最大のネックは融資金額です。
融資金額は1億以上をあまり想定していないようです。上得意先かつ優良物件の場合のみ、億越えが見えてきます。数千万円の融資でさえ、数百万円の返済実績など色々積み上げなければならないのです。
不動産投資に必要な長期融資を受けられるようになるまでに半年から1年以上かかることもあるようです。
そうは言っても、このご時世に、耐用年数を超過した物件でも満額フルローンが可能ですし、借入期間も15年以上の長期が期待できるます。築年数が古いものに消極的なメガバンクや地銀に比べて大きな魅力です。
いざ、信用組合に融資打診だ!
私は、多少条件は落ちても地方銀行Aの代替になってくれるという期待感を持って信用組合Iの課長さんのもとを訪ねました。
しかし、残念ながら、その期待感は打ち砕かれます…。
それに最初は数百万円の少額の取引から初めて貰えないと…。
ここに至るまで何もしてこなかったわけではありません。事業の健全性を説明したり、個人で定期預金を組んだりしていたにも関わらず、つれない返事となりました。
ここで実感したことは、数千万円の融資は不動産投資家からすると一般的であっても、信用組合からしたら、慎重になる金額だということです。メガバンクや地銀と違って、地域の互助会としての性質を持つ事業規模の小さい非営利団体からすると、莫大な金額なのです。
いきなり数千万円の物件を持ち込んで、その日のうちに可否を教えてくれるメガバンクや地銀と違って、信用組合は長期間の信頼を得る活動がないと融資は期待できないようですね。
でも、実は、、この辺りは織り込み済みです。
ここで2018年6月から始まった信用組合Iへの営業活動について説明していこうと思います。全てのやり取りを書いておくことによって、信用組合にアプローチしようかどうか迷っている人に参考になれば嬉しいと思います。
信用組合への営業活動の全貌とポイント
場面は電話でアポをとった信用組合Iの担当者さんとの会話から始まります。当初、知り合いがいなかったため、住まいの最寄りの支店に融資を打診しました。
2018年6月
わかりました。不動産への融資が再開したら教えてくださいね。
やっぱり、誰の紹介もない飛び込みは不利ですね。電話番やカウンターの側にいる若手の営業マンでは、上に何層も上役が居ます。話が正しく伝わらず、潰されてしまうこともあるようです。
その中で救世主が現れました。仲良くなった地場の不動産会社の社長さんです。
2018年7月
わかった、うちの会社を担当してくれてる信用組合Iの課長を紹介するよ。
別の支店の来店履歴も彼らは共有してないから、一度融資を断った客っていうレッテルも貼られてないと思う。ゼロベースでモーガン君の話を聞いてくれるよ。安心しな!
長年、地場で不動産会社を経営している社長さんから紹介して貰えたのは大きかったです。その社長さんも信用組合Iの課長さんから自社物件の融資を受けているので、ツーツーの仲のようでした。
2018年8月
課長さんとの面談ではお互い何か共通点はないか、プライベートなことを含めて確認し合うような場になりました。お互いの出生などで共通点が見つかると不思議と信頼感が醸成されます。信用組合さんにうまく食い込むにはこれが不可欠です。
2018年9月
先方のリクエストにも誠実に対応したこともあり、引き込んでもらうような流れになっていました。別の支店で門前払いを食らった時とは大違いです。
2018年10月
一般的に空室で経営難に陥っている大家さんと私の経営方法が違うところを理解してもらうように、こちらからアプローチもしました。課長さんはわかっていて、良い話を聞くとすかさず支店長にも説明してくれていました。徐々に支店全体と信頼関係ができてきます。
話をしたのは以下の二つの記事の内容です。
トントン拍子に行くかなと思ったのですが…。そうは問屋が卸さない…。
2018年11月
金利は法人の財務力によりますが、2−3%の借入が一般的のようです。また、信用組合単体での融資ではなく、協調融資を提案されることも多いようです。協調融資とは保証協会や日本政策金融公庫が借入を保証してくれる支援制度です。
信用組合としては、貸し倒れリスクを少なくすることが出来る仕組みなので融資のハードルが低くなります。
2018年12月
少しずつ本丸の不動産融資に近づいています。まだ、道半ばではありますが、手応えは徐々に出てきました。決算では過度な節税に走らず、信用組合から信頼してもらえるようにすれば、2019年の夏頃には行ける可能性も出てきました。
信用組合へのアプローチと2019年の展望
このように信用組合へのアプローチをしているわけですが、必ず結果が約束されているものではありません。この課長さんが異動してしまったり、融資方針を転換してしまったりすることも十分あるでしょう。
そこで私は、地銀、信用組合に加えてメガバンク(都市銀行)のアプローチも2019年春から始めようと思っています。
東京三菱UFJ銀行や三井住友銀行のようなメガバンクであれば、1億以上の融資も低金利で融資してくれる可能性があるので頼もしいからです。
「え?条件が一番厳しいメガバンク?」と思われるかも知れません。
確かに。東京三菱UFJ銀行や三井住友銀行の最寄りの支店に正面からアプローチしても、よっぽどの資産家じゃ無い限り、期待できません。
金融資産は5000万円〜1億円以上を求められ、自己資金の2、3割は当たり前、耐用年数超過なんて以ての外だ!と門前払いを食らうのが関の山でしょう。
しかし、石渡浩さんのように信用金庫のような地域金融機関の次に、メガバンクにアプローチして不動産投資の融資に成功されている方もいます。その方法を模倣しようと思っています。
その方法とは、「保証協会融資をワンクッションとして使った後に、法人部門を開拓する」というものです。
詳しい方法については以下のDVDに詳細な再現手順とともに紹介されていますので、本格的に不動産投資をしたい方は、購入をオススメします。
これまでご紹介した信用金庫・信用組合のアプローチ方法とメガバンクの攻略方法を合わせて勉強できるので、決して損はないと思います。
石渡さんのDVDは、不動産会社がスポンサーをしていないので高額になりますが、その分、不動産を売りつけるようなポジショントークもないため、とても参考になります。
購入した第7号物件の大規模修繕を控えているので、その資金としてメガバンクから保証協会付き融資を受け、その後法人部門から本丸である不動産投資の融資を引き出したいと思います。
2018年のスルガ銀行不正融資事件以来、不動産価格は徐々に下落しています。2019年には更なる下落も予想されています。この時に売りに出る割安の物件を安定した融資で確実に購入して行きたいですね。
そのためには、先を見据えて融資元の銀行開拓が不可欠です。
意外と行き当たりばったりな人が多い気がします。物件が出てきてから、金融機関にいきなり駈け込むようです。それでは融資が出なくても仕方がない気がします。
会社員をしていればわかるかと思いますが、法人を相手にした営業活動の場合、最初の取引までに時間を要します。多くの企業では通年で一定の計画の下に動いています。いきなり飛び込み営業で来られても、よっぽどのことがない限り、計画外の取引を始めません。
私もIT業界の営業を経験しましたが、大手上場企業に新システムを採用してもらうのには3年かかることもありました。一年目は情報交換で終わり、2年目は予算計画にいれてもらい、3年目でようやく小規模の取引開始という具合です。
それに比べれば、不動産投資における銀行融資開拓は楽チンです。1年程度で取引が始められる可能性があるからです。しっかり種まきして、少し長い目で見たいところですね。
来たる買い場に備えるためにも、計画的な資金調達のためにも、銀行開拓頑張りましょうね!