こんにちは、妻には全く頭が上がらないモーガンFollow @tsukubanosoraniです!普段は11棟67室の賃貸アパートを経営して暮らしています。専業の不動産投資家です。
今回は賃貸アパート、マンションの賃貸経営に関する記事ではなく、妻が相続した田舎の土地(更地)を売却処分した時の話を書きたいと思います。
相続した土地を処分出来ずに困っているという話を知人から耳にすることがあります。駅前のような好立地だったらまだしも、地方郊外の片田舎にある土地は手放しくたくても出来ないというのが現実のようです。
近所の不動産業者さんに相談するも色良い返事がもらえず、そのままになってしまっている人も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、妻に依頼されてから1年以上が放置してしまいました。
しかし、昨年のお盆に帰省した時に重い腰を上げて現地を改めて確認し、別のアプローチを取ったところ、その3ヶ月後には売却することに成功したんです。
この時の体験談は同じように処分に困っている人のヒントになるのではないかと、記事を書くことにしました。
私が土地を処分するために取ったアプローチで、上手く行ったこと、行かなかったこと、全て解説しますね!
コンテンツ
妻が相続した田舎の土地
妻は30代半ばの時に両親を亡くし、土地を相続しました。
この土地はニュータウンとして分譲されたもので、家族で過ごす家を建てるためにお義父さんが購入したものです。
お義母さんが実家の行き来がしやすいようにと、お義父さんの勤務地から少し離れた場所にある優しい気持ちがこもった300㎡ほどの土地です。
ただ、家を建てる間も無く転勤になってしまい、以来ずっと更地のままでした。年を重ねるごとに管理が難しくなってしまい、今では草木が生い茂ってしまいました。
草木が生い茂っていて、どこからどこまでが相続した土地なのかよくわかりません。。。隣の区画も長年更地で放置してあるようです。。
前面道路はこんな感じです。な、何もない。。かろうじて公園がありますが、決して人気がある住宅街ではないことがお分かりいただけるかと思います。
おまけに100メートルほど歩いたところの写真です。住宅街なのに太陽光発電のパネルで埋め尽くされています。
住宅地としては売れず、発電用地に成り下がってしまったようです。
太陽光発電は、山間部や川の土手沿いなど利用用途が少ない場所を安く仕入れて行うのが主流です。それが行われているということは、土地としての需要がないということの証明ですね。
そう、妻が相続した土地は、
- 青森県○○町。人口1万人しかおらず、さらに過疎化が進行中。
- 昭和バブルにニュータウンとして開発されるも分譲が進まなかった。
と、欲しいと言ってくれる人はあまりいない場所にありました。
検討した5つの処分方法
妻から土地の処分を依頼された当初、私は現地に行ったことはありませんでした。
しかし、土地としての需要があまりない地域なのはGoogle マップのストリートビューを見れば明らかです。
引き受けたは良いものの、どうやって処分すれば良いやら。。。
でも、しょげてばかりもいられません。
お義父さんの七回忌も終わった今、妻や義妹たちの期待に応えなければ!
幸い近くに高速道路のインターチェンジが開通したらしく、チラホラ家の建設がされているらしいという不動産屋さんのブログ記事を見かけたので、気を取り直して処分に動き始めたのです。
私が処分する方法として検討したのは、以下の5つの方法です。
- 大手不動産会社の売却サイトへ申し込む
- 地元の不動産屋さんに買取/仲介の依頼
- 国・地方自治体への寄付
- 隣人への寄贈
- 一戸建てを建設中だった建設会社に売却
当初はこの①から③あたりで手間なく、処分してしまうつもりだったんです。
茨城県に住む我々夫婦は青森県○○町に行くのは一大事。片道4時間くらいかかります。「ちょっと行ってくるわ!」っていう距離ではありません。
妻から手渡された土地の登記簿を片手に、現地に行くことなく、茨城県の自宅からインターネットと電話でなんとか処分しちゃえないかと考えてたんです。
もちろん、そんなに甘くはありませんでした。。。
大手不動産会社の売却サイトに申し込む
まず最初に検討したのは大手不動産会社への売却です。大手不動産会社に買い取って貰うのであれば、変な取引にはならないので安心だと考えました。
何より現地に行くこともなく売却できてしまう魅力があります。
不動産会社経由で土地を売却する場合、二通りの取引形態が考えられます。
「買取り」と「仲介(=媒介とも言う)」です。
「買取り」とは、依頼する不動産会社さん自身に購入してもらう事です。不動産会社さんに一般に販売する新築戸建用地や建設会社への転売用地として仕入れてもらいます。
不動産会社の利益も考慮されるため、査定金額は相場よりも低くなってしまいますが、すぐに売却が完了するメリットもあります。
もう一つの「仲介」の場合、不動産会社は買い手を見つけてきてくれます。成約した場合は不動産会社に仲介手数料を支払います。
売主が金額を決めることができる反面、買い手が現れないといつまでも売れず、長期化してしまうこともあります。
妻も売却益を期待しているわけではありませんでしたし、せめて査定だけでもしてもらえれば、この土地の資産価値もなんとなくわかります。
この土地がいくらで売却処分できるのか知りたかったのと手間なく終えたかった私(と妻)は、野村不動産が運営する売却サイト、ノムコムの不動産無料査定に申し込んでみることにしました。
やってみると簡単です。住所など簡単な情報を入れるだけで査定を受けられる流れになります。
茨城県にいながらにして、とんとん拍子に売れてしまうかも!と期待に胸を膨らませていた私ですが、その期待はすぐに打ち砕かれます。
残念ながら土地がある青森県は対象地域外だったのです。。。
こちらの売却サイトは
- 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)
- 関西(大阪・兵庫)
- 名古屋市
を対象にしているようです。
処分したい不動産がこの地域にある方であれば、査定だけでもしてみるのは良いと思います。
念のため、バナーも置いておきますね。
私は売却サイトをそっと閉じて、電話を手にすることにしました。
地元の不動産屋さんに買取/仲介の依頼
大手がダメなら、やっぱり地元の不動産屋さんだ!と言うことで、土地の所在地である○○町の隣接市の不動産屋さんに買取の査定を依頼することにしました。
なぜ、土地の所在地ではなく隣の市の不動産会社にしたかと言うと、インターネットでホームページを開設している不動産屋さんがなかったからです。(それだけ○○市は寂れてるんですね。。。)
一応○○町も取引実績があると書いてあったので、とりあえず電話してみました。
200万で売れたら万々歳です。売土地としてインターネットに出して貰うことをお願いしました。
ただ、不動産屋さんは売れると思ってはいないのは明らかです。
ぞんざいな対応をされた私は気が滅入ってしまい(実はもう2件ほど当たったのですが、同じような対応されました)、そのまま1年間寝かせてしまったんです。
もちろん買い手は愚か、問い合わせすら入りませんでした。
国・地方自治体への寄付
1年間寝かせたとは言っても他の方法はないかチョイチョイ調べてはいたんですよ。
インターネットを検索していると土地を地方自治体に寄付できると言う記事に行き当たりました。
財務省は個人が不要になった土地・建物を国に寄付できる新制度をつくる検討に入った。全国各地で相続放棄される土地が増えていることを踏まえ、境界や権利関係が明確といった条件を満たす物件を受け入れ、民間事業者や自治体に活用してもらう。活用されない土地の増加を抑える狙い。
「不要な土地・建物、国に寄付可能に 財務省検討」日経新聞 2019/3/13 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42380600S9A310C1MM8000/
しかし、案の定、○○町では土地の寄付は受け付けていないと言う返事でした。
よくよく考えてみると、その土地に我々が抱いている課題が移転するだけですよね。
- 管理する費用がかかる
- 固定資産税の税収も減る
- 利活用する用途も見えない
地方自治体も欲しがるわけがないですよね。
(この記事にある検討は本当に進むのでしょうか。。。期待薄い感じがします。。。)
隣人への寄贈
自治体がダメなら、隣人に寄贈も考えました。無料なら受け取ってくれるかもしれません。
法務局に行けば数百円の手数料で所有者の情報が書かれている登記簿謄本を閲覧することができます。隣の土地の所有者に連絡が取れる可能性があります。
「ちょうど家庭菜園をしたいと思ってたんだよ。ありがとう!」なーんて展開も・・・。
ないです。この案もダメです。
見てください。
ストリートビューでみる限り、隣の土地も草木がボーボーです。
多分、お隣さんも同じことを考えています。
逆に「うちのを差し上げますよ!」と返り討ちに会う可能性すらあります。
一戸建てを建設中だった建設会社に売却
いよいよ打つ手がなくなりました。
茨城県を出ぬままインターネットや電話で簡単に売れるなんて甘いことは起きないと悟った私はようやく現地に行くことを決意します。
毎年お盆は妻の青森県にある実家に里帰りと決まっています。
その足で○○町にある土地に足を運びました。
そしてこれが功を奏することに。
Googleマップのストリートビューでは見えてこない実態が見えてきたんです。
妻が相続した土地を中心に1キロ四方を散歩してみたところ、1ー2件ではありますが、建設中の戸建があることに気が付きました。
また、売りに出ている土地も数件あったんです。
売地にはこんな風に看板が立っていることがありますよね。これが3〜4つあったんです。
看板を見ていて気が付きました。
この土地の周辺に不動産会社はほとんど看板を出していませんでした。
需要もあまりなく、戸建用地でも100〜200万と安いので、仲介手数料はほとんど見込めません。
事実上、力を入れてなかったんですね。
(私が②で打診した地元の不動産会社の看板も、もちろんありませんでした、汗。)
その代わり、建設会社が看板を出していました。
これはあとでわかったことですが、土地が安いと言うことはその分、お客さんの予算の中から、建設費を多く取れるので建設会社には都合が良い土地だったようです。
インターチェンジもできて、チラホラ出てきた住居需要を格安新築戸建を建てて捉えていたみたいです。
看板が出ている会社は土地を仕入れた実績があるわけで、二つ目、三つ目を仕入れる可能性があると考えた私は、その場で看板にある電話番号にかけてみました。
3−4社電話をかけたところで、運よく購入してくれる建設会社さんが見つかりました。
どうやら戸建を売り切ったため、安い土地があれば仕入れようと思っていたみたいです。
間に不動産会社さんが入ると仲介手数料や利益がのってしまい、土地の売買金額は高くなってしまいます。
双方の利害が一致して、直接契約をすることで、相場より少し安い金額で妥結できました。
ただ、間に不動産会社さんが入らなことによるデメリットもありました。
こちらは瑕疵担保免責での取引を臨みましたが、建設会社としては、そのリスクは負えないとも。
瑕疵担保とは、その土地に瑕疵があり、買主が目的を達成できない場合は、売主側が損害金を支払わなければいけないと言うものです。
とはいえ、こちらとしては千載一遇のチャンスですし、この土地はニュータウンとして開発されたものなので、戸建を建てるための瑕疵が出る可能性はほとんどありません。
妻と相談して条件を飲むことにしました(実際に何も出ませんでした!)
不動産は現場に行ってナンボ!
こうして妻の相続した土地は無事処分ができました。
寄付でもいいと言っていた土地を相場に近い金額で売れたので、妻や義妹たちも大満足です。
これで面目躍如というものです!
私が妻の相続した田舎の土地を売却処分するにあたって痛感したのは、不動産は現場に足を運ぶことが重要ということです。
ちょっと遠いからと言って自宅で悶々と考えたり、なんとなく不動産会社さんに相談しても何も進みません。
実際にその土地に行ってみると、全く想定していない取引が周囲で行われていることに気がつくことがあります(本業で不動産投資をしているのに、このことをすっかり忘れていました)。
もしあなたが私のように相続した土地の処分に困っていたら、もう一度現地に行ってみてはいかがでしょうか?
意外な発見があるかもしれませんよ。