こんにちは、モーガンです!Follow @tsukubanosorani
養殖の鰻が売れないで困っているというニュースを見ました。それならば人助けと思ってファストフード店のうな重を2千円近く出して食べましたよ。
うーん、不味くはないのですが、養殖の鰻に2千円か??。わけのわからん正義感を燃やした自分に後悔してます。まずくはないのですが、2千円の味でもない。。千円くらいになりませんかね。。
そんな小さな話はおいておいて、私が他に後悔していることがあります。
私が過去に行った太陽光発電の投資です。実際にやってみてもう太陽光発電投資は辞めた方がいいと思っています。今回は辞めた方がいい理由について書いていきたいと思います。
コンテンツ
成功した私の太陽光発電投資の実績
私が太陽光発電をしようと思ったきっかけは郊外に大型のRCマンションを購入したことです。ちょうどそのときクリーンエネルギーへの注目度も高く、経済産業省を中心に国も太陽光事業を成功させようと固定価格買取制度をアピールしていました。
購入したRCマンションの屋根は周辺に高い建物もなく、大量の太陽光パネルを設置するのに適しており、不動産会社さんからの紹介で太陽光発電の業者さんから提案を受けたのです。
当時太陽光発電は利回りにして10%以上出たので脚光を浴びていました。初期投資資金の融資も日本政策金融公庫がフルローンで出してくれるので、自分の手出しは一切ありません。
それに加えて1000万円近い設備投資費用は一括償却できるので、利益の繰延までできてしまいます。提案を受けた私も御多分にもれずに飛びつきました。
何も生まないRCマンションの屋根が打ち出の小槌のように毎月8〜9万円生み出してくれるので、やらない手はなかったのです。
当時の投資成果は以下の通りです。
太陽光発電投資 2年強の運用結果
- 初期投資:886万円
- 日本政策金融公庫からフルローンだったため、手出しはゼロ円
- グリーン投資減税適用により、一括償却し利益を繰り延べた
- 売電収入:210万円(2014年4月〜2016年4月の実績)
- 売却益 :1,235万円(RCマンションの売却利回りから逆算)
- 総合収支:+559万円
- IRR内部収益率:19%
私がこの投資が大成功だと思う理由は、売電収入だけではありません。このRCマンションを売却するのに賃料収入に加えてこの太陽光売電収入も収益評価に入れることができたのです。つまり、太陽光売電収入分、RCマンションを高く売ることが出来ました。
私がもう太陽光発電投資をやりたくない理由
私はマンション売却当時、上記のような投資成果を得られたのでご満悦でした。私から買った買主さんも10年保有すれば回収できるのでWin Winの結果が出せたと思いましたし、環境にも優しい太陽光発電で社会にも還元できたと当時は誇らしい気持ちで一杯でした。
色々な真実を知るまでは。。
そんなに成功したのなら、マンションを売った後も新たに野立ての太陽光投資でも始めればいいじゃんとお思いになる方もいらっしゃるかと思います。しかし、色々な真実を知った今、私はもうやりたくありません。
私がやりたくないと思う理由はミクロとマクロで一つずつあります。
【ミクロな理由】出口がないまま費用がかさみ続けるリスク
太陽光発電投資は国の固定価格買取期間(20年)や太陽光発電設備メーカの機器保証期間(10−20年)の初期段階の人は特に問題はないのかもしれません。
問題はそれらの期間が10年経過したあたりから顕在化すると思います。その問題というのは、次の買い手が見つからないリスクです。つまり、出口が取れないということになります。
出口戦略としては、二つ考えられます。
一つは他人に売却する。もう一つは廃棄する、です。
ただ、いずれの出口戦略も困難になるでしょう。
出口として売却するシナリオ
買う側の立場に立って考えて見ましょう。固定価格買取期間があと数年で終わるのを知りつつ、太陽光発電投資を買うでしょうか。
期間終了後の利回りはどうなるか読めません。そういった投資に金融機関も融資するとは思えず、ますます買い手は見つからないのではないでしょうか。
太陽光発電の機器のメーカ保証は10−20年になっているケースが多いかと思います。機器には当然寿命があり、故障交換が必要になってきます。
私が契約した時、太陽光発電投資の業者さんからは「パワーコンディショナーは10年目から壊れることがあります」とはっきり言われていまいした。その機器交換だけで済む場合は20万円程度で済むので良いほうです。
メーカの撤退などにより、もう販売していない機器が壊れた場合、周辺機器毎一式交換する羽目になり、ますます高額になることも可能性としてはあり得ます。
太陽光発電市場は国策で価格競争を促し、収斂させてます。メーカはその中でコスト競争を長期間にわたって強いられるため、倒産や事業撤退するメーカが後を絶ちません。
私が購入した時のシェア上位にいた日本メーカはすでにランク外です。実際に撤退を決めているメーカもあります。
日本メーカーが消えた、2015年太陽電池セル世界トップ10
日経XTECH 2016.4.25
https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/column/15/286991/041900018/?P=3
買い手側もこれくらいのことは想定するでしょうから、保証期間が残り短くなればなるほど、出口は取りづらくなると思います。
もう一つの出口である廃棄についても考えて見ましょう。
これも厄介です。
出口として廃棄するシナリオ
私が行ったようにマンション・アパートの屋根でやっている人の場合は、費用さえかければ廃棄して出口を取ることができるかと思います。
設置してある太陽光パネルや機器数にもよるので費用はなんとも言えませんが、100ー200万円以上はするかと思います。それでも太陽光投資で初期投資額の回収が終わり、利益が出ている状態であれば、大丈夫でしょう。
私の場合は、固定買取期間、機器の保証期間が十分に残っていたので、マンションの利回りをあげる作用が働きました。しかし、逆に残存期間があまりない場合、マンション・アパートの売却金額から値引きを要請されたり、売主負担で撤去・廃棄を要求されるケースも出てくるのではないかと思います。
野立ての場合、利用価値がほとんどない山の斜面や川沿いの土手などに設置して行うことで、初期投資の土地代を抑えていますよね。
太陽光パネルや電池は産業廃棄物として廃棄できますが、この土地は廃棄できません。そしてその土地の固定資産税や管理費はずっと負担し続けなければなりません。
あなたが亡くなってもその費用だけかかる土地を子供に相続していくことになります。
私も勘違いしていたのですが、最悪でも土地は自治体や市区町村に寄付などして引き取ってもらうことができるのではないかと思っていました。
しかし、私も親から山の麓にある土地を相続してわかったのですが、自治体や市区町村も利用価値のない土地は引き取ってはくれないのです。売却は愚か、寄付もできなくて困っています。
ただ、どうしようもないまま、固定資産税を払い続けるしかないんです。こういった背景から山や森を放棄してしまう人も出てきており、管理不能で荒れ果てた状態になって困っているという地域もあるそうです。
投資は出口(売却など)を迎えた時に利益がどれくらい出たかで成否が決まります。株を買って保有期間中の含み益を喜んだって仕方がないですよね。太陽光発電、特に野立ては出口が見えないためやめたほうがいい、というのが私の考えです。
もう一つ太陽光発電投資に賛成できない理由があるんです。
それはマクロで見た時に大丈夫かということです。具体的にすでに起きている事象からリスクを書いていきたいと思います。
【マクロな理由】国が太陽光発電事業を終了するリスク
今の所、太陽光発電の事業を国が辞めるという話はありません。国として再生可能エネルギー事業は重要で主力の一つとして固定価格買取制度として推し進めてきたわけですから、そう簡単には辞めれないかもしれません。
ただ、今後10−20年の展開として太陽光発電事業が主役である可能性は段々と減ってきているのではないかと考えています。
太陽光は国が進める再生エネルギー事業の中の一つでしかありません。再生エネルギーとは水力発電、風力発電、バイオマス発電など他にもあり、太陽光にこだわる理由はあまりないと思います。
というのも太陽光はいくつも弱点があることが指摘されています。以下のNewsWeekの記事で、太陽光は脱原発の主力エネルギーにはならず、ピーク時の臨時電力がいいところという指摘がされています。
- 発電効率が悪い(東京都の電力を賄うには山手線一周分のパネルが必要)
- 都心の電力を作ることはできない(都心にパネルを置く場所がない)
- 発電コストが高い
- 天候に左右されるため、主力電源にはできない
脱原発の主役は「自然エネルギー」ではない Newsweek 2011.8.3 より
日本がお手本にしているドイツすらこれに解決策を持っていません。脱原発を宣言したものの太陽光、風力発電だけでは賄えず、フランスの原発から電力を買っている始末。そのおかげでドイツは電力価格はフランスの2倍だというのです。
ドイツの真似をすることに警鐘する方は少なからずいます。こちらの本はドイツ在住30年の方が書かれた本です。
そして、一番まずいのは発電コストが高いため、税金という形で国民に転化して事業を維持しているという点です。我々は国から東京電力を通して賦課金という形で太陽光発電の負担をしているのです。
つまり、太陽光パネルが一枚、また一枚と増えていくと、我々の負担は徐々に重くなっていくのです。太陽光が我々のエネルギーとして活躍してくれているなら、それは無駄ではありませんが、今の現状を見ると役に立っているという状況ではありません。
環境破壊から人災を引き起こしている太陽光発電
もっと深刻なのは環境破壊です。
野立てで太陽光発電を行うことが主流になってきている今、山や川の土手などにある斜面の木を伐採し、大量の太陽光パネルを敷き詰めるということが、全国各地で行われています。
斜面から木を伐採してしまうと、動物が住む場所が無くなり田畑を荒らすようになったりしますし、土砂崩れを起こして人命を奪う事態にもなります。
アルピニスト野口健さんさんは積極的にこれに関して情報発信をTwitterで行なっています。野口健さんは富士山の清掃など環境問題にも積極的に取り組まれている言わずと知れた冒険家ですね。
こういうケースはこれからも多発するだろう。そしてパネルを設置した業者の多くは責任を取らずにトンズラする。メガソーラー発電を抱えた行政の首長さんからは悲鳴や戸惑い、憤りの声が聞こえてくる。今日も茅野市で戸惑いの声を聞いたが国の対策がまるで見えてこない。 https://t.co/CEs0MI41OE
— 野口健(アルピニスト) (@kennoguchi0821) 2018年7月26日
もう一つアルピニスト野口氏がリツイートしている内容も紹介したいと思います。ぜひ、Twitterの動画も見てもらえると、日本人が今、自分たちを痛めつけている様子がイメージできると思います。
こんな事が繰り返されてはなりません。
本当に残念です。皆さんの無念さが身に沁みます。 https://t.co/rqBE1sCcRW
— 野口健(アルピニスト) (@kennoguchi0821) 2018年7月22日
私が住む茨城県でも常総市の鬼怒川が氾濫した場所は、太陽光パネルを敷き詰めるために切り開かれた川の土手が原因でした。太陽光発電投資で人災が助長されていると言わざるを得ません。
こういった人災が起きるたびにアンチ太陽光発電という人が増えていくように思います。
あまり役に立たない太陽光で賦課金を徴収されながら、環境破壊まで起こしているのです。
マクロで見るとこの「太陽光発電事業はどこかで終わらせないといけない」と国民が気がつく時がくると私は信じています。
「自分さえ儲かれば良い」という投資は長続きしない
これまで書いてきたように太陽光発電にはミクロで見ても、マクロで見ても欠点を抱えています。
ミクロで見ると以下のリスクを伴います。
- 経年劣化した機器の修理・メンテナンスの費用
- 譲渡先が見つからず出口が取れないため(特に土地)、固定資産税を払い続けるリスク
マクロで見た時、以下の状況から国民感情はアンチ太陽光発電に傾くと思います。
- 悪天候時、都心では発電できず、日本のエネルギーとしてあまり役に立たない
- 国民は再生可能エネルギー発電促進賦課金として負担を強いられている
- 森林伐採による土砂崩れで人災を日本各地で起こしている
役に立たない、逆に災害を起こす太陽光発電で国民が負担を強いられている中、「得をしているのは投資家だけ」という状況になると国も太陽光発電事業をいつまでも継続するわけにはいかないでしょう。
我々投資家サイドとしては、「儲かれば何でもいいじゃん」というのはあまりに寂しい気がします。投資というのは儲けることも大事ですが、その事業により社会を豊かにするから意義があるのを忘れてはいけないと思うのです。
私は知らなかったとはいえ、一度やってしまったことを反省しています。後悔しています。野立てはもちろん、今後行う投資用不動産の屋根の上でも太陽光発電はしません。
日本社会に役に立つことに投資をするのが、投資家として一番大事にしていることです。「社会に役に立った分が自分の儲けになって帰ってくる」というのが健全な投資スタンスですし、自分の存在意義だと思うんです。
そういう意味では中古の不動産投資は意義があると思っています。古い物件をメンテナンスして空室に入居してもらえれば、自分に賃料収入が入るばかりか、その地域の活性化に貢献することもできます。
その不動産投資の始め方について以下の記事にまとめていますので、読んでいただけると嬉しいです。
最後に、不動産投資に役立つ情報をツイートしているので、ぜひフォローしてくださいね。
Twitterのフォローはこちらから↓
Twitterで記事とともに@ツイートしてもらえれば、極力コメントお返しますね!