こんにちは、モーガンです!娘が受験生なので、一緒に高校説明会に行ってきましたよ。
県内では有名な私立高校だったのですが、校長先生の挨拶には驚かされました。その日は台風が接近していて説明会を中止する高校もある中で、校長先生が強行開催する判断を下したんだそうです。何故ならば、、、、
「ビジネスチャンスが失われてしまうから」だそうです。
生徒や親はお金の源泉なんですね。まぁ、事実なんでしょうけど、この校長には子供を任せられないなと開始5分で判断しましたね。人って大事ですね。
さて、今回は小口化された不動産投資商品は買いなのか?という記事を書きたいと思います。
今の日本は低金利政策の真っ最中、銀行に預金しても金利はゼロに近いですし、安定して数%のリターンをもたらしてくれる金融商品はほとんどないですよね。
かといって実物不動産投資は金融商品と比べて、必要な知識や資金のハードルが高いです。
そこに救世主現る?!検索結果に表示されたのは小口化された不動産投資商品。
見てみると数億〜数十億円の実物不動産を小口化して、数万から数百万円の出資をすることで毎年高い利回り(配当)を得られます。
利回りは5%を超えるものも多く、不動産を担保にしていれば安全性も高そうです。不動産の管理運営はその道のプロである不動産会社が実行してくれます。
自分がすることといえば、数万円から数百万円のお金を用意して、契約書にサインするだけです。あとは、銀行に配当が振り込まれるのを待つのみです。
なんか良さそうじゃないですか?
しかし、そうは問屋は卸さない。
実物不動産に比べると歴史も浅く、未熟な部分も多いのが実態です。この記事では、3つある小口化商品の形態を捉えて、安全な小口化商品を購入できるようにするためにはどうすれば良いかを書いていきたいと思います。
小口不動産投資は三種類ある
小口商品はネットで検索しても情報開示が不十分なことが多く、実態が見えずらいです。実は不動産の小口化商品には三種類あるのご存知ですか?
最近良く耳にするようになったソーシャルレンディング、不動産共同投資事業の匿名組合型、任意組合型の3つです。
まずは自分が検討している商品がどれにあたるのか正しく理解しましょう。それぞれの法律と契約形態を抑えることが安全な投資をする第一歩になります。
順をおって一つ一つご説明しますね。
小口商品分類 | 契約形態 | 利回り | メリット | デメリット | 背後にある法律 | 監督官庁 |
---|---|---|---|---|---|---|
ソーシャルレンディング | 匿名組合契約 | 4-5%から10%を超えるもののもある | 高い利回り | 借り手の情報が開示されない。 登記されない |
金融商品取引法、貸金業法 | 金融庁 |
不動産共同投資 -匿名組合型 |
匿名組合契約 | 4-5%から9%程度までのものが多い | 高い利回り | 登記されない | 不動産特定共同事業法 | 国土交通省 |
不動産共同投資 -任意組合型 |
任意組合契約 | 2-3%から5%程度のものが多い | 相続税対策になる。 登記される |
利回りは悪い | 不動産特定共同事業法 | 国土交通省 |
ソーシャルレンディング
最近、クラウドファンディングが一般化してきたことやSBIホールディングスなど金融大手が参入してきたこともあり、少しずつ名前が売れてきました。しかし、まだその歴史は浅いため広くは知られていないのが実態のようです。
特徴としては、小口から投資ができること。一口1万円から投資できるものもあり、その利回りも4−5%、中には10%を超えるものもあることが最大の売りかと思います。一方で貸金業法の制約を受け、借り手やその事業について情報開示されないため、投資家からすると不安になることも多いでしょう。
運用される不動産に抵当権が設定されているとうたうものが多いですが、競売にて売却して元本割れを起こしたり、上位の抵当権者に回収されてしまったりする可能性もあるため、情報開示が少ないことを考えると安心してできる投資とは言い切れない面があります。
契約形態としては匿名組合契約を結ぶことになり、その不動産の収益の一部を配当という形で一定の分配を受けることになります。配当を受けるだけの契約のため、不動産特有の減価償却費を使った節税スキームなどの適用はありません。
不動産共同投資(匿名組合型)
ソーシャルレンディングと同じように匿名組合という契約形態で行うもう一つの投資が不動産共同投資(匿名組合型)です。
こちらは国土交通省管轄の不動産特定共同事業法に基づく投資で、ソーシャルレンディングと違い、運営する事業者やその不動産の情報開示に制限はないため、パンフレットなどを取り寄せると物件名、所在地、収支計画などを見ることができます。
利回りは4−5%のものが中心です。
ソーシャルレンディングは融資を受けられられない借り手に高金利で貸し付けることで、利回りを10%近辺に持っていく手法をとっていますが、不動産共同投資(匿名組合型)は違います。
運営する不動産に劣後ローンをつけて資金を余分に引き出し、それを不動産物件に再投資する形でレバレッジをかけています。こうすることでソーシャルレンディングよりは低いものの、実物不動産よりは高い利回りを実現するのです。
匿名組合型に代わりはないため、運営される不動産の所有権は運営事業者側にあり、投資家は配当を得るのみとなります。減価償却費を使った節税スキームは適用されません。
実物不動産は数千万円の投資が必要なところ、不動産共同投資は100万円程度からできて、そこそこ利回りが高いのが魅力です。
しかし、運営する不動産が多数になり、レバレッジもかけることになるため、運営する事業者の力量が試される仕組みになっています。
複数の不動産の事業計画を立てたり、不動産売買相場に長け、空室の入居づけを含む賃貸管理をコントロールする力量が必要になってきます。
この商品を購入するにあたっては実際に運営事業者に会って、その会社の実力を測った上で投資するのが良いです。情報開示が不十分だったり、担当者に不安を覚えたら、見送ったほうがいいでしょう。
もし、良い事業者をお知りになりたいということでしたら、お問い合わせいただければご紹介しますよ。
不動産共同投資(任意組合型)
不動産共同投資の任意組合型は、ソーシャルレンディングや匿名組合型と大きく違う点があります。
任意組合型はその不動産を共有持分として所有することができる点です。
実物不動産と同じように、投資家(組合員)は所有権登記もされるので、心理的な安心感があると思います。所有権は投資家にありますが、多くの場合、組合理事長が運営事業者であり、事実上、全ての運営を行います。
不動産運営により利益の分配を得ることになりますが、投資家の管理や定期報告書の作成のコストがかかるため、実物不動産の利回りと比べても低いことが多いです。
任意組合型のメリットとしては、ソーシャルレンディングや匿名組合型と違い、不動産の税制を活用した相続税対策になるものが多いということです。
現金を保有するよりも、任意組合型を保有すれば相続税評価減が期待できる商品設計をしているものが多いです。
実物不動産に近いため、減価償却費のメリットも享受できます。ただし、その範囲は任意組合型で得られた売り上げを打ち消す分までです。減価償却費で赤字を作り、自分の年収と損益通算はできません(不動産所得ではなく、雑所得です)。これに関しては特例が交付されていて、明確にできなくなっています。
もし信用できる運営会社を見つけることができれば、煩わしい不動産管理をすることもないまま不動産を活用した相続税対策ができるでしょう。
多少の配当も毎年得られるので、終活を考えている方にはいいかもしれません(このブログの読者にはそういう人はいない気がしますが・・・)
ただ、出口の流動性が低いことに気をつける必要はあるでしょう。任意組合の場合、相対取引になります。つまり、買う相手が見つからないと出口が取れません。
相続税対策として子供に相続することを目的にするのは問題ないでしょうが、いつでも簡単に辞められるものではないので、購入前に留意しておく必要があると思います。
運営事業者や担当者を見定めることが重要
実物不動産と比べて小口化商品の良いところは、少額の投資で、煩わしい管理をする必要がないところですよね。購入を検討している人の中にも、投資信託のような感じで気軽に買いたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それを否定する訳ではないのですが、逆にその事業者や担当者がきちんとした運営ノウハウを持っているかを見極めるスキルが必要になってくることを心に留めておいてください。
不動産業界も常態的な人手不足です。
小口化された不動産は運営が大変です。小口化する不動産を安く仕入れるノウハウ、満室運営する管理体制、不動産を売却する市況を読む力などが運営側の担当者に求められます。
不動産業界は、これらを縦割りで分社化しているケースがほとんどで、全ての経験・知識を持つ担当者を育てるのは非常に難しいのが現状です。
自社で全てがまかないきれないため、経験が浅かったり、分業して外注化してしまっている小口化商品もたくさんあります。うまく全てをマネージメントできればいいのですが、フタを開けると責任をなすりつけ合う体制だったりすることもあるので注意が必要です。
私が今朝行った某私立高校の学校説明会のような感じだったら、笑顔でその場を離れて投資は見送りましょう(笑)。