5. 入居者募集活動

13年間入居者トラブル無しを実現!騒音問題・ゴミ問題・クレーム問題などを避ける、入居前審査のコツをこっそり教えるよ

こんにちは、モーガンです!

4月に入り、不動産業界の繁忙期も終盤戦を迎えました。みなさんの空室は無事埋まったでしょうか?私はおかげさまで3室あった空室も全て入居が決まりました。家賃も数千円アップして決まったので、大満足の結果です。

とはいえ、すでに4月末の退去予告を3件ももらっています(涙)。

4月末は、繁忙期も終わっています。頑張って空室対策しないと入居が厳しくなる、いわゆる閑散期シーズンの始まりです。

今年は新型コロナ感染症の影響で、繁忙期を避けて部屋探しをする人が見込まれています。それゆえ、例年ほど悲観的ではないものの、本格的な閑散期(5月から8月)の前にきっちり埋めたいところです。

さて、今回はその閑散期を前に、入居申込者さんの入居前審査(=オーナー審査)について書いていこうと思います。普段ならお断りするような方でも、この閑散期は受け入れるかどうか悩むオーナー(不動産投資家)も多いと思ったからです。

私の地域では、引っ越しシーズンを逃すとファミリー向けの需要が極端に落ち込んでしまいます。3LDKの65㎡超の部屋があるのですが、何も工夫しないと半年近く空室のままなんてことも。

その部屋に入居申し込みが入れば、無条件に審査OKとしたいところですが、入居後にトラブルになることもあるので、注意が必要です。

逆に不安があるからと入居NGにするのは簡単ですが、この時期苦しいのは賃貸仲介さんも一緒です。下手な断り方をして、信頼関係を壊してしまうのは避けたいところです。

そうならないためには、一定の基準を持って、フェアに判断できるようにしておく必要があります。その判断基準を前もって賃貸仲介さんに伝えておく事で、入居させるにしても、断るにしても納得してもらうことができます

私が不動産管理会社時代に携わった入居審査や入居後のトラブル対応を元に、私の判断基準をご紹介します。皆さんの地域やおかれている状況に応じて、ご自身のものを築き上げてもらえれば嬉しいです。

入居審査で回避したい入居後トラブルとは?

オーナーが行う入居審査は、入居後にトラブルがおきないようにすることが主眼になるかと思います。それでは、入居後のトラブルとは具体的に何でしょうか?私が経験してきた中では、騒音、ゴミ、クレーム問題の3つが回避したい入居トラブルBest3です。

この3つの問題が発展すると、近隣にまで迷惑をかけることもなります。特に集合住宅(1棟ものアパート、マンション)の場合、その部屋の両隣や上下の部屋の入居者が一斉に退去してしまうことがあります。

そして、その問題が根本解決するまでいずれの部屋も貸し出せなくなってしまうので、絶対避けたいところです。

騒音問題

世の中には大声で歌を歌ったり、奇声を発して騒音を出してしまう人がいれば、生活音に過剰反応して隣人を責めたてたりしてしまう人もいます。

こういった人が集合住宅に入居してしまうと、隣に住んでいる人が嫌気をさして退去してしまうことがあります。原因となる人が退去するまで、隣接する部屋に入居付ができないので、大打撃を受けることになります。

ゴミ問題

ゴミを適切に処分できない人もいます。ゴミの分別をしないため、共用ゴミステーションが常に回収されないゴミで山積みになってしまうのはマシな方で、ゴミを拾ってきて自室に溜め込んでしまう人もいます。

こうした人を入居させてしまうと、その悪臭から賃貸仲介さんが内見を敬遠するようになり、結果として空室が続く物件になってしまいます。

クレーム問題

住環境にとても神経質な人もいます。住宅設備に不備があったり、その修繕の過程で対応に問題があると不動産会社やオーナーに執拗にクレームしてくる方がいます。

クレームの一部に合理性がある場合もありますが、築年数が経過している物件は特に、完璧な設備や対応は現実的に難しいです。不動産会社やオーナーに精神的な負荷が大きくなるので注意が必要です。

入居審査は何を見て判断するか?

私は不動産管理会社で、このようなトラブルを目の当たりにしてきました。

そこで私がオーナーの立場で、入居審査で見るポイントは「人間性」です。

  • 態度が威圧的ではないか(紳士的な受け答えができるか)
  • 挙動不審な様子はないか(受け答えに嘘はないか)
  • 神経質な指摘や質問がなかったか(築古の部屋や設備に理解はあるか)

を賃貸仲介さんからヒアリングして、問題はないか判断します。

私の物件に客付してくださる常連の賃貸仲介さんは、店舗や内見中の様子を説明してくれます。

ただ、あまり取引がない賃貸仲介さんの中には、明確に教えてくれないケースもあります。その場合は、入居申し込みをしてくれた方が会社など団体に従事し、社会活動に参加している方かどうかが一番の判断ポイントになってきます。

何らかの団体に従事していれば、その団体を巻き込むことで、問題の解決や任意退去に持っていける可能性が高いからです。

年収や貯金は関係ない!?

その方の年収や資産背景は、ほとんど気にしません。これはオーナーの入居審査の前に、賃貸仲介さんが家賃保証会社の審査を通してくれているからです。

家賃保証会社では

  • 家賃の支払いを続ける収入や貯金があるか
  • 滞納歴がないか(ブラックリストに載ってないか)

について審査しているので、私が二重に審査する必要性はありません。

日本の場合、家賃保証会社のブラックリストは各社の運用に任されていて、残念ながら完全とは言い難いです。

実際に、入居直後から滞納が発生して、家賃保証会社がすぐに追い出し訴訟を開始してしまうこともありました。入居してから半年未満で追い出しになってしまうと、いくら家賃が保証されても、入居付の費用などで赤字です。

そんな経験をしていても、よっぽどのことがない限り、受け入れるようにしています。家賃保証会社の審査が通った人をオーナー審査でNGにすると賃貸仲介さんとの関係が壊れてしまうからです。

入居者属性ごとの対応

入居申し込みをしてくれた方が企業などの何らかの社会活動に参加している方であれば、あまり悩むことはありません。

しかし、冒頭で述べたとおり、閑散期においては、そうではない方の受け入れを検討しないと空室が長引いてしまうことがあります。また懇意の賃貸仲介さんにお願いされて、断りずらいという場合もあるでしょう。

一般に判断に迷うとされる方々について、私の判断基準をご紹介します。

外国籍の方

私は国籍で受け入れたり、受け入れなかったりするということはしていません。原則として、どの外国籍の方でも積極的に受け入れています。

ただし、日本語や英語が話せない方は、管理担当の方とよく相談してから決めます。

土足で生活したり、ゴミを分別する習慣がない文化圏の方は、日本の生活ルールをご理解いただくため、コミュニケーションをとる必要があります。また、漏水や火事など緊急を要するときに、会話が通じないと大きな事故にもなりかねないため、受け入れる能力が管理会社や自分にあるのか、しっかり検討します。

高齢者の一人入居

高齢者の一人暮らし入居も積極的に受け入れています。つい先日もお一方受け入れました。娘さんが高齢のお母様をご自宅の近くに呼び寄せたというケースです。高齢の方であっても、複数の緊急連絡先をご提示いただければ対応できます。

高齢者の一人暮らしは、孤独死を連想して、受け入れないという方が多いと賃貸仲介さんから聞くことがあります。

しかし、「一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会」のレポートによると、割合としては孤独死は65歳未満の方が多く、孤独死=高齢者のみの問題とは言えないとされています。

孤独死の調査

出展:第5回孤独死 現状レポート(2020年11月27日)https://www.shougakutanki.jp/general/info/kodokushi/news/report.pdf

仮に孤独死が起きてしまったとしても、同レポート(P12)によると平均損害額(残置物撤去費用、原状回復費用、家賃保証費用の合計)は100万円未満としています。

入居者が入居時に加入する少額短期保険の特約で賄うことができるため、オーナー側に経済的な負担は大きくありません。

何より、この高齢化社会の日本において、家を貸し出す事業を営む者が、人の死と向き合う姿勢を見せないと、賃貸仲介さんや社会から信頼は得られないかもしれません。

高齢者の方の受け入れには積極的になりたいところですね。

障害のある方

障害のある方は慎重に検討させてもらっています。その理由はやはり、自分や委託先である不動産管理会社に、緊急時でも安心、安全な対応を提供できるかという問題です。

ご家族やNPO団体と連携して、バックアップ体制が取れる場合は、積極的に受け入れています。

生活保護を受給している方

生活保護を受給している方は特に慎重に検討させてもらっています。

生活保護を受給している方は働きたくても働けない病気や特別な事情をお持ちの方です。トラブルが起きた際には、地方自治体の社会福祉課と連携し、対応する必要も出てきます。

私は社会福祉課の担当ケースワーカーにインタビューさせていただき、いざという時は連携して対応できる方かどうかを確認してから受け入れます(地方自治体によって、温度差があるので、注意が必要です)。

審査の心構え

私は小・中学生時代、メーカー勤務の父の転勤のため、アメリカのとある田舎町で過ごしました。そこで私たち家族は、戸建てを賃貸したのですが、オーナーからの差別に苦しみました。

外国人である私たち家族が生活習慣の違いで、家をめちゃくちゃにしないか心配だったようで、毎日監視に来るようになったのです。

とある朝、中学生の妹がパジャマ姿で2階の寝室のカーテンを開けると、目の前には梯子に登って覗き込む初老の白人男性オーナーの姿がありました。

妹は恐怖で塞ぎ込み、私たちは逃げるように転居することに。のちに訴訟しましたが、とても辛い経験となりました。

今、逆の立場になった私としては、いかなる差別も許容されるべきではないと思います。

忘れてはならないのは、賃貸仲介さんや業者さんからオーナーも審査されているということです。差別的な発言や態度をとれば、次回以降の取引に敬遠されるようになっても無理はありません。

それと同時に、社会的に弱い立場の方々を受け入れるということは、緊急時やトラブルにおいて事業者としての責任も発生します。慎重な検討も必要です。自分や委託先の管理会社の能力として、安心、安全が提供できることを確認しましょう。

自分の能力と照らし合わせて、配慮の行き届いた審査対応を取りたいところですね。

では、また〜♪

モーガン
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ABOUT ME
モーガン
IT企業に務める傍、地方の築古アパート、マンションで不動産投資をはじめました。不動産会社の役員に転身後、2018年に会社員生活を卒業し、不動産投資専業で生活しています。