こんにちは、モーガンです。Follow @tsukubanosorani
何気なくネットを見ていると健美家さんのコラムが目にとまりました。
スルガ銀行も関与したかぼちゃの馬車事件の影響で、銀行融資が引き締まっているという記事です。特に賃貸経営の実績がない不動産投資未経験者には融資を出さない銀行が増えていると報じています。
スルガ銀行の行員が率先して資料を改ざんし、金融資産がほとんどない会社員にまで融資を出していたのです。それが会社員の自己破産を助長してしまいました。金融庁や他の銀行は会社員に対する融資に慎重になるのは仕方がないことかもしれません。
私も銀行さんと打ち合わせをしているとその厳しい融資姿勢をヒシヒシと感じます。しかし、融資が出づらいということは、裏を返すと投資用不動産の価格は下落するので、利回りが改善して行きます。もし貴方が銀行から融資が受けられれば、大チャンスです。
利回りがあと数ポイント改善すれば絶好の買い場が到来したともいえそうです。ここで銀行から融資を受ける方法をマスターしておきたいですね。
さて、今回はその銀行への融資打診をどのように攻略するかというお話です。不動産投資未経験者の方を意識して、基本の「キ」から書いていきたいと思います。融資が厳しい中でも銀行から融資を受けるコツというお話を書いて行きます。
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銀行には紹介で行くのが基本
不動産投資においては融資は切っても切り離せない関係にあります。めぼしい物件が出てきたら、一度融資を受けられるか早めに相談しておくのが大切です。
ただし、特定の物件について融資の相談に行く時は、誰かの紹介で行くのが基本になります。紹介無しに裸一貫で乗り込んで行くのは最後の手として封印しておいたほうがいいかもしれません。
なぜかというと、銀行の担当者と初対面でゼロから信頼関係を築くのは大変だからです。
銀行の担当者は目の前に居る初対面の貴方が、お金を貸しても返済をきちんとする人か、確認する必要があります。
そのため貴方に色々なことについて説明を求めます。物件のことはもとより、なぜあなたが不動産投資をしたいのか、どんな方針・計画で賃貸経営をしていこうとしてるのかなど、的確に説明する必要があります。
この「的確に説明する」というのが想像以上に難しいです。初対面でお互い壁があるため、思いの外、貴方の説明していることが銀行担当者に響かないのです。
紹介なしで銀行を開拓するには運とコミュニケーション力が求めらるんです。
もし、めぼしい物件が見つかったのであれば、それを紹介してくれた不動産会社さんに銀行を紹介してもらうのがいいと思います。
普段から銀行に融資案件を紹介している不動産会社さんの紹介であれば、銀行の担当者も無碍に断るわけにはいきません。
なんとか稟議が通るように貴方の良いところを引き出そうとしてくれる可能性は高まります。もし貴方やその物件の融資が難しくても、なぜ難しいのかなど教えてくれる可能性も出て来るので、次回対策を持って再訪問することもできるかもしれません。
(紹介がない場合は、理由も教えてもらえることもなく、総合的な判断で融資できないと言われて終わってしまうこともあります。)
【2018年】私の8銀行への融資打診結果一覧
2018年6月から7月にかけて、銀行に融資を打診した結果、私の属性で木造築古(耐用年数オーバー)物件に意欲示した銀行は8行中2行でした。地元のメガバンク、地方銀行、信用金庫、信用組合、日本政策金融公庫に打診した結果です。
金融機関名 | 借入金利 | 借入金額 | 借入期間 | 結果 | 紹介の有無 |
---|---|---|---|---|---|
都市銀行R | 聞き出せず | 聞き出せず | 耐用年数の残存期間まで | ×電話で門前払い | 無 |
地方銀行C | 1-2% | 物件金額+諸経費まで満額可能 | 耐用年数の残存期間まで | ×築古不可 | 有 |
地方銀行J | 1-2% | 物件金額+諸経費まで満額可能 | 10〜15年 耐用年数超過もOK |
△15年では足りない | 有 |
地方銀行A | 1-2% | 物件金額+諸経費まで満額可能 | 15〜20年 耐用年数超過もOK |
◎ | 有 |
信用金庫M | 2%台 | 物件金額+諸経費まで満額可能 | 耐用年数の残存期間まで | ×築古不可 | 無 |
信用金庫Y | 聞き出せず | 聞き出せず | 聞き出せず | ×エリア外 | 無 |
信用組合I | 2.1-2.5% | 物件金額+諸経費まで満額可能 | 15〜20年 耐用年数超過もOK |
○ | 有 |
日本政策金融公庫 | 1.16-1.76% | 4800万円まで | 〜10年 耐用年数超過もOK |
×10年では足りない | 有 |
前向きな回答をもらった地方銀行Aおよび信用組合Iは、いずれも不動産会社さんに紹介してもらった銀行です。紹介だったので最初から支店長代理、課長さんクラスと交渉させてもらえたのが大きかったです。支店長代理や課長さんクラスは日々の大きい営業目標をクリアするのが大変ということもあり、なんとか取り上げようとしてくれました。
加えて、私の過去の不動産賃貸業としての実績を大きく評価してくれたので、融資に前向きな回答をもらうことができました。
逆に自分で窓口に飛び込んで対応してもらったケースは軒並みうまくいきませんでした。担当者さんとうまく会話ができた時もあったのでおかしいなと思ったのですが、打ち合わせ後、その上席の支店長代理や課長さんクラスにうまく取り上げてもらえなかったようです。
8行と交渉して確認したのは、いずれもマネーゲームを連想させるような「不動産投資」というスタンスの人には融資を控える方向性であるということです。今まで融資を柔軟にしていた銀行は厳格化していたり、そもそも不動産投資というだけで出さないという方向性のところも多かったです。
これはかぼちゃの馬車事件のスルガ銀行の影響があるとおっしゃっていました。
「不動産投資は経営である」という自覚のない会社員に融資すると破綻者(返済できない人)を出してしまうかもしれないという警戒感があり、賃貸経営実績のない会社員への融資はその前向きな2行ですらハードルが上がるということでした。
これから初めて不動産を購入するという人は、不動産会社さんから銀行の紹介を受けながら、賃貸経営の実現性を一生懸命プレゼンしてこじ開けていくしかなさそうというのが私の感触です。
ただ、確かに厳しい状況ではありますが、色々なツテをたどったり、色々な資料を準備したりと工夫しながら、銀行にあたっていけば必ず道は開けると思います。
その際の具体的な方法について次に書いていきたいと思います。
未経験者が銀行融資を打診する時にアピールすること
メガバンクが軒並み不動産投資に消極的なこともあり、地元に根付いた銀行に融資打診することが多くなるかもしれません。地方銀行や信用金庫・組合の地元の支店のことです。
そういった銀行は地元経済の発展を理念に掲げています。地元で商売をする人にとっては強い味方ですね。
地元に根付いた銀行に融資打診にいく時の戦略は以下の二つをアピールするということになると思います。
- 自分が地元に根付いた信用のできる人間であること
- 不動産賃貸事業の経営に従事する実力があること
①自分が地元に根付いた信用のできる人間であること
銀行に持ち込んでアピールする資料として大事なのは経歴書になります。経歴書には出生、両親、家族、小・中・高・大学、資格、仕事の略歴、年収、金融資産などを書いておきます。
年収、金融資産はもちろん大事なのですが、両親も含めた自分の生い立ちの情報もとても大事です。
銀行の立ち位置からすると貴方が何処かに転居してしまわないかを心配しています。お金を返さず何処かにいってしまい、捕縛できなくなることを恐れているのです。
そういう背景があるため、その担当者や上席の人と経歴に共通点があったりすることがわかるととても盛り上がります。その共通点に親近感が湧いて信用が増すということが良くあるのです。
②不動産賃貸事業の経営に従事する実力があること
先にも書いた通り、物件を所有・経営したことがない人には銀行は融資したがりません。その壁を乗り越えるのに、やったことがない不動産賃貸業の実力を示すべきという私の提案は酷な話のようにも聞こえます。
ただ、経験、実績がなくてもきちんと準備すればできます。事業を始める人は、誰でも最初は未経験なのですから、あなたが十分勉強していて、事業立ち上げに成功しそうな人だと思わせればいいのです。
そこで大事になってくるのが、購入予定物件の事業計画書になります。資産性、収益性が明示されているもので、保有期間中の税引後キャッシュフローなど肝となる指標が計画だっていることがわかるものである必要があります。
また、その計画を狂わす要因になる雨漏りや建物の痛みに対してどういう方針で賃貸経営していくかを説明することで経営者の資質をアピールするのもいいでしょう。
現状の建物の具合を写真などを使って説明し、大規模修繕や原状回復費用の費用をいつ、どのように見込んでいるか、事業計画書と照らし合わせて説明します。
下の記事を参考に的確な事業計画を立ててみてください。
未経験者でもしっかり勉強して、準備すれば大丈夫!
再三書いている通り、2018年に入ってから明らかに潮目は変わってきており、これから不動産投資を始めたい、賃貸経営者になるぞ!という人には逆風です。
しかし、あまり真剣に取り組んでいない人にバンバン融資をしていた今までの方が異常だったともいえます。チャチャっとお金だけ借りちゃおう!とろくに準備もしない人もたくさんいたようです。
正常な状態に戻ったと考えて一からきちんと準備して取り組んでいく姿勢こそが融資をひく近道だと私は考えます。
参考までに一般的に融資打診の際に銀行に持ち込む資料を下に書いておきました。資料自体は簡素な箇条書きでも問題ないと思いますが、説明するときに上記のポイントについて銀行の人にアピールできるように書けば良いと思います。
融資打診の際に持ち込む資料一式
- 個人属性関係
- 経歴書(出生、両親、家族、小・中・高・大学、資格、仕事の略歴、年収、金融資産など)
- 源泉徴収票、確定申告書 3期分(※)
- 金融資産一覧とエビデンス – 通帳コピーやWeb口座残高のスクリーンショット(※)
- 共働きの場合 源泉徴収票、確定申告書
- 購入予定物件
- 物件概要書(※)
- レントロール(※)
- 固定資産税評価証明書
- ④の資産性、収益性評価で作成した資料=事業計画書の代わり
- 大規模修繕、原状回復工事の必要性や費用がわかるもの
- 個人所有物件(もし所有していれば)
- 固定資産税評価証明書(※)
- 借入明細(※)
- 積算評価
- 類似事例比較法による評価
- 収支実績
- 管理実績(巡回・点検報告書など)
- 概要書・地図
- 法人属性(もし法人を所有していれば)
- 事業実績略歴書
- 決算書 3期分(※)
- 所有物件
※は銀行から最低限持参するように言われる資料
絶好の買い場到来に向けて、融資を攻略しましょう!ここで銀行があなたのパートナになってくれたら、本当に心強いですよ!