1. 購入編

レオパレス違法建築問題から考える賃貸経営オーナの打開策とは?

レオパレス違法建築問題

賃貸アパート・サブリース大手の株式会社レオパレス21の違法建築問題が余波が出始めました。2018年6月11日付の全国賃貸住宅新聞によると大手社宅代行会社が相次いでレオパレスの物件への入居者案内を停止するというのです。

これはオーナ(=不動産投資家)の立場からすると賃貸経営に大打撃なことはいうまでもありません。

不動産投資は賃貸経営をしていることになるので、不測の事態は起き得ます。そして経営者である以上、取引先の不祥事に巻き込まれても自分が主体的に動いて行かないといけません。

渦中の被害者のオーナの皆さんには大変気の毒です。しかし、不動産投資家であり、元不動産会社の人間として、今後の展開や余波について考察することで、物件を保有している人やこれから購入する人の一助になればという思いを込めてこの記事を書きました。

レオパレス違法建築問題とは

2018年3月に発覚したこの問題は、不動産業界人からすると「やっぱり・・・」というものだったように思います。

「やっぱり・・・」というのは、不動産業界人はレオパレスの物件は音がよく響くと言う声を良く聞いていたからです。音は主観的なものなので、証明する手段がないため、あくまで疑いを持っていたレベルですが、明るみに出て「やっぱり・・・」という実感が込み上げてきます。

レオパレスの違法建築問題は、界壁と呼ばれる建築基準法上、防火・防音のために義務付けられている壁がなかったというものです。

利益至上主義で無理にコスト圧縮をした結果ですね。

1996年から2009年の間に建てられた物件にその疑いがあり、レオパレスは2019年6月までに調査を完了し、2019年10月までに是正工事を完了するという発表をしています。

この発表の通りにいけば是正工事完了は1年以上先です。これはかなり深刻です。

2019年の繁忙期、つまり2−3月のもっとも入居者を獲得しなければいけない時期を棒に振ることになるからです。地方の物件だと繁忙期を逃すことは致命的になりかねません。

2019年の物件収支はかなりひどいものになることが予想されます。

オーナへの想定される影響範囲

オーナ(不動産投資家)は窮地に立たされれていることに間違いはないでしょう。

一番の問題は入居者が入らなくなることです。今後は既に発表された大手社宅代行会社はもちろんのこと、大手仲介会社を中心に入居者を斡旋しなくなるでしょう。

欠陥がある可能性の高い物件を賃貸仲介してしまい、万が一の火災が発生した時にオーナの所有者責任はもちろんのこと、仲介責任を追求される可能性があるので無理もありません。

サブリース契約が残っているオーナは賃料が保証されているので、空室だらけになっても契約が継続されている間は影響がないという見方もできるかもしれません。

しかし、対象の物件の多くはレオパレスとサブリース契約を解消したり、売却されて一般の管理会社が受託しているものも多くあるようです。それらについては、違法建築になっていないか可及的速やかに調査をして証明する、もしくは是正工事を行わないと現在の管理会社から管理解約を申し出られてしまう危険性まであります。

この問題の根本解決がされるまでの間、入居者が不安に思って退去することはあれど、新たに入居者を獲得するのは至難の技になり、長期的な賃料収入の減収が想定されます。一般管理契約のオーナは経費、税金、借入の返済が一定の支払いとして毎月来るため、赤字経営になってしまう場合もありますね。

サブリース契約以外のオーナの場合、是正工事完了し、安全性を証明できるようになるまでの空室について損失賃料はどうなるのでしょうか。発表には何も書かれていませんのでわかりませんが、損害賠償請求して損失賃料を勝ち取る必要まで出てきそうです。たまったもんじゃありませんね。

サブリース契約をしているオーナは安心なのでしょうか。サブリース契約万歳ということなのでしょうか。そんなことがないのが、この問題の根が深いところです。

今回、自業自得とはいえ、レオパレスからすると調査費、工事費、そしてサブリース契約物件の家賃補填で多額の費用を計上することになるでしょうから、サブリース事業の収支が悪化します。

悪化したままだと企業として存続ができないでしょうから、サブリース契約の収支管理を徹底するようになり、サブリース契約の賃料減額や場合によっては打ち切りという物件が長期的に見て、今より増えて来るのは企業活動上不可避であるように思います。

その時のために今から備える必要がありそうです。

オーナーとして取るべき行動

こんな時にオーナ(不動産投資家)として取るべき行動は何でしょうか。結論から言いますと積極的に行動するしかないということです。

確かにオーナは被害者ではありますが、加害者の建築メーカ(この場合だとレオパレス)に文句や是正要求ばかりしていても、時間が経過して被害は拡大するばかりです。

もし、私の物件がレオパレス物件だった場合は、独自のルートで工事に詳しい人に頭を下げて診てもらうなどすると思います。

運の良いことに界壁があれば、それを資料にして賃貸仲介会社に説明に行くなど対応策が取れるからです。本来、サブリース契約があるならばそんなことをする必要はないはずです。ただ、待てばいいという考え方もあります。

でも私だったらサブリースの管理委託契約書を読み直してそう行った行動が契約の違反にならないかを確認し、加害者側の担当者に後から「勝手にやった」と言われないようにコミュニケーションをとった上でやります。

実際、賃貸仲介の店舗に出向き、安全性を説明することで、営業マンの反応から今後の影響具合も見えてきます。「これだったら大丈夫ですね」という顔をするのか、「風評被害でそれでもなお難しい」という顔をするのか、これはやってみないとわかりません。

ただ、一つ言えることは想定外の自体が起きてしまった時は経営者自らが動いて、状況を確認し、次の一手を考えて行くしかないのです。

経営者である以上仕方がありません。

ホンダの車がタカタ製のエアバックの欠陥で全面リコールになったことは記憶に新しいです。取引先の事故、事件、不祥事というのはどの業界でも起き得ることだと理解し、不動産投資、賃貸経営でも自分から能動的に行動して打開策を見つける必要があります。

そうすると必ず次の一手が見えてきます。

同じ場所に立ち止まってしまったり、他人に任せてしまうと大火傷することになるかもしれないと肝に命じておく方が幸せな不動産投資になると思います。

ABOUT ME
モーガン
モーガン
大学卒業後、20年IT企業に務める傍、趣味の投資活動でハワイに別荘を持つまでになりました。不動産会社の役員に転身後、2018年に会社員生活を卒業し、不動産投資専業で生活しています。